魔法使いは救いを求める【忍たま乱太郎】

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綾部さんと穴を掘っていると、いつの間にか眠ってしまっていたらしく気づいた時には朝日が昇っていた。

どうやら、綾部さんの同級生が探しに来ていたらしく、起きて早々ピーチクパーチク文句を言われた。


この人たちは私のことが嫌いらしく、すごく警戒されているのを感じる。だから、これ以上綾部さんと関わるのはやめようと思った。




｢どうしたんだい？｣

《私は1人で上がれますので、ご心配なく。》

｢そう？なら、どうして上がってこないの？｣

《皆さんはこれから授業なのでしょう？私は大丈夫ですから、お先に行ってください。》

｢よく分からないよ。なんで、今上がってこないの？｣

《お隣の方々の目的は綾部さんです。私は関係ないので。》

｢……つまり、2人の近くにいたくないから早く行けって？｣



逆逆ぅ〜…2人が私の近くにいたくないから早く行けって言ってんの。ほら〜、あからさまに嫌そうな顔してるじゃん！気づけ！！



｢もう、2人が嫌なこと言うから近づきたくないんだって！｣

｢な、なんだとっ！？それは、こっちのセリフ…っ！！｣

｢…………1人で出れるのだったらいいだろう。ほら、喜八郎。早くその泥を落として教室へ行くぞ。｣

｢はーい…｣



綾部さんは平さんに引きずられるように帰って行った。そして、何故か気まずそうな顔をしていた田村さんも私を睨んで帰った。


3人の足音が聞こえなくなるのを待って、外に出ようとした瞬間。大きな声で私を呼ぶ声が聞こえた。



｢Aー！！！｣

(なんだ？)

｢いたぞー！！｣

｢Aちゃん！大丈夫？｣



穴から顔を出すと先生たちがこちらめがけて走ってきていた。その様子が恐ろしくて思わず顔を隠す。

すると、土井先生が私の腕を掴んで引き上げてくれた。



｢お前、こんな所で何してるんだ！わたしたちがどれだけ探したと思って…｣

｢まぁまぁ、土井先生。無事だったんだから良かったでしょう？Aちゃん、今度どこかへ行く時は誰かに伝えてからにしてね。心配したのよ。｣

(心配？何言ってんだ。)

｢分かった？｣



よく分からないが、私はとりあえず頷いておいた。何か迷惑をかけたことは伝わってきたから、反省しておく振りをしよう。

心配だなんてする必要ないでしょ。私なんて早くいなくなった方がいいに決まっているのに、なんでそんな顔をするんだ。



嫌う人もいれば、心配してくれる人もいる。もう分からん。

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