魔法使いは救いを求める【忍たま乱太郎】

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｢おや、先輩方お揃いでどうしたんですか？｣

｢げっ！｣

｢ん？なんだ？皆集まって。｣



左右の道から歩いてきたのは、大砲を引きずっている人と何かを指で回している人だ。どちらもどことなくキラキラオーラが放たれている。



｢A、隠れろ！｣

｢む、Aだと〜？｣

｢あ〜！！お前は…！！｣

｢ちょっと2人とも、そんなに睨んじゃダメだよ！｣

｢おやまぁ。｣



なんだか、さっきよりも慌てている様子だが、私には隠れる気は一切ない。なぜなら、あの子が引いている大砲が気になるから。

私は近くにいた善法寺さんの袖を引っ張った。



｢ん？なぁに？｣

《あれはなんですか？》

｢あぁ、あれは石火矢だよ。初めて見る？｣

《すごいかっこいいですね！！》



私はこくこくと頷きながら紙を高く掲げる。そんな私の顔を見て皆はポカーンとしてしまった。



｢ふふふ、テンション高いねぇ♪｣

｢なんか、拍子抜けだな…｣

｢なっ…！そんなこと言ってもわたしは騙されないぞ！！｣

｢石火矢に興味があるのか？三木ヱ門、ちょっと見せてやってくれ。｣

｢え！？嫌ですよ！ユリコが変な術にかけられたらどうするんですか！｣

｢なんだぁ？変な術って。｣

｢もう、三木ヱ門まだそんなこと言ってるの？｣



変な術？何の話だ？あ、もしかして魔法が変な術ってことになってるのかな？まぁ、あながち間違いじゃない。



《見せてもらわなくても大丈夫ですよ。》

｢遠慮しなくてもいいんだぞ。｣

《いえ、大事なものなのでしょう？他人に触れられたくない気持ちはよく分かります。》

｢おぉ！よく分かっているじゃないか。ユリコはわたしの命も同然！天人族なんぞに触れられてたまるか！｣

｢三木ヱ門、言い過ぎ〜。｣

｢なんだと！じゃあ、お前の踏鋤でも見せてやったらどうだ！｣

｢嫌だ。｣

｢嫌なんじゃないか！｣

｢だってこれから穴を掘らなくちゃいけないから。じゃあね〜。｣

｢おい！また落とし穴作る気か！いい加減にしろ！｣

｢さようならぁ。｣



先輩の言葉を無視する後輩。

あれは許されるのか？この時代って上下関係厳しいイメージあるけど、思ったよりも自由なんだな…



｢すみません、先輩方。喜八郎にはわたしからよく言っておきますので…｣

｢いや、あいつは言っても聞かんだろ。お前らも苦労するな。｣



明らかに呆れられている綾部さん。あれはもう、マイペースとかいう次元じゃないな。

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