魔法使いは救いを求める【忍たま乱太郎】

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鳴り響く太鼓の音。

陽気な音楽と笑顔の仲間達。



『〜♪・｡♪*♪』



私は歌を歌いながら町の真ん中の大通りをスキップする。




風が吹き、水が踊る。ここは、魔法の村。



【天月村】



この村は外界から遮断された日本だけど日本じゃない所。

ここには…転生者､異世界人、能力者、様々な生き物が集まっている。



何故かって？

それは私にも分からない。


でも、ここは世界から弾かれた不思議な生き物たちが流れつく場所だ。

なんか、時空の歪みとかなんとか聞いたこともあるけど、私はあまり興味がない。




だって、天女だとか魔法だとか今が安定しているのならそれでいい。何も困ってないし。





『平和なら、それで問題ないよね〜♪』






─────────────そう思っていたのに














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｢キャーーー！！！！｣

｢おい！女は子供を連れて逃げろ！男は時間稼ぐぞ！！｣




目の前が赤い。


おかしい……さっきまで青い空が広がっていたのに…




『なんで……』

｢A！！何ぼさっとしてんだ！早く前に出ろ！｣

｢村長！準備出来ました！｣

｢よし！俺らも下がるぞ！！｣



何が起こっているのか認めたくなくて突っ立っていると、誰かが私の背中を押した。



『え…？』

｢A、よく聞け。｣



ぼーっとしている私の前に村長が血を流した顔を向けた。肩をガシッと掴まれ、真剣な目で私を見る。



｢今までずっと言ってきたよな。その通りにするんだ。大丈夫、俺たちは仲間を見捨てたりしない。絶対に迎えに行く。だから、それまで耐えるんだ。｣

『え、ちょっと待ってください！あれって、冗談じゃ…』

｢冗談なんかじゃない。今がその時だ。俺たちを信じろ。｣

『っ…！』



この村は、かつての天女の血を色濃く残す、銀の髪、碧眼を持つ少女を特別扱いをする。

その理由は、人間に襲われた時にその少女を囮にするからだ。



天女の血を引いてなくても不思議な力を使う者はいるが、人間は天人族の特徴は銀髪碧眼だと思っている。

だから、人間が天月村を襲う時は銀髪碧眼の少女の首を差し出すことで被害を抑えようということらしい。



確かに、そんなことを小さい頃から言われてきたが、さすがに冗談だと思っていた。




『本当にこんなことってあるんだな〜……』

｢おい！いたぞ！銀髪に碧眼の少女だ！｣

｢捕まえろ！｣




次の瞬間、私の視界は暗転した。

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