魔法使いは救いを求める【忍たま乱太郎】

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斉藤さんに他の生徒のことをどう思っているか問われた時に1番初めに出てきた言葉は【仲良くなりたい】だった。

我ながらなかなか幼稚で夢物語のような話だが、本音を言えばこのまま警戒された状態なのは寂しいものだ。



「そっかー、仲良くなりたいのかぁ♪」

『…！！』

「あははっ！そんなに暴れないでよ。変な髪型になっちゃうよ？」



ニヤニヤと笑う斉藤さんに対して先程書いた《忘れてください！！》の紙を振り回した。しかし、髪結い中に動くのは危ない。私は頬を膨らまして大人しく座った。

からかわれると恥ずかしかったことがさらに恥ずかしくなって、顔が熱くなる。



「別に仲良くなりたいって言うのは恥ずかしいことじゃないと思うけどな。…………それよりも、Aちゃんはぼくたちのこと嫌ってないんだね。」

頷いて肯定する。

「そっかー…それは嬉しいな。てっきり嫌われてると思ってたから。」

《それは、あなたたちの方じゃないんですか？》

「怖がってはいるけど、嫌いなわけじゃないと思うよ。そもそもでどんな人か知らないんだから嫌う理由もないしね。」

《私も同じですよ。》



そう、結局のところは同じなのだ。互いに互いを知らないだけ。私と彼らの関係値はただの噂と都市伝説で作り上げられたものなのだ。



「それじゃ、これからは皆のことをもっと知ることからだね。Aちゃんのこともいっぱい教えてよ。」

私は頷く。

「……よし！できたよ！どうかな？」



完成を見るために目の前の鏡を見る。そこには先程までの無惨な姿とは全く違う、綺麗な髪があった。それに、可愛らしい青いリボンまでついている。

私はそれを指さして首を傾げた。



「それはぼくからのプレゼント♪目の色とお揃い。可愛いでしょ？」

《ありがとうございます。》

「あれ、また照れてるの〜？Aちゃんって意外と恥ずかしがり屋？」



素直にお礼を言っただけなのに何故かからかわれた私はまたもや頬を膨らまして斉藤さんを睨む。

確かに、可愛いと言われてちょっと照れたけど、ちょっとだけだ！自分の顔がいいのは自覚してるもん！



「ま、喜んでもらえたみたいで良かった。ねぇねぇ、またここに来てもいい？」

《もう髪は切ってもらわなくて大丈夫です。》

「違うよ！おしゃべりしに来たいの。美味しいお菓子持ってくるからさ。」



お菓子という言葉に少し反応すると斉藤さんはまた笑って「決まりだね♪」と言って部屋を出ていった。

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