ただひとり ページ6
入部試験はきっちりクリアしたつもりなので部室に向かう。
がらりとドアを開けるとやっぱり誰もおらず。
そして紙がまた置いてある。
「もしよろしければ部の代表をお願いします」
え、ええええ？ホント何なんだここの人。
しかし断る方法もなく、とりあえず部室の中の本棚を見る。
面白そうな本があったのでパラパラとめくり、読み進めていく。
だんだん疲労のせいかうとうとしてきて、一冊読み終わったとき、ついに瞼が閉じた。
薄暗い部室の中、だんだんすやすやと寝息が聞こえていく。
意識ももう夢の中。そんな私は知らないのです。
カラリと誰かがドアを開けて入ってきたことも。
その人がブランケットを私にかけて出ていったことも。
＝＝＝
「ん、んん…」
いけない、そこそこ寝てしまったようだ。
もう夕焼けが広がってしまっている。
…あれ、私ブランケットなんか着てたっけ？
というか、この部屋にこんなものあったっけ？
…いや、なかったよね？誰かがかけてくれたのかな。
名前か何かがないかとタグのところを見てみれば、演劇部の文字。
つまりこれをかけてくれたのは演劇部員さんってこと、なのかな。
とりあえずエルナさんに相談してみようかな。
エルナさんなら知り合い多そうだし。
そう考えながら階段を下りていく。
まだ寝起きだからか足元がふらつく。
夕方人も通っていないような階段で、私は思いっきり落ちてしまった。
「わッ…！痛い…」
やっぱり運動神経の問題か、変に足首をひねってしまったみたいだ。
ここからどうやって移動したらいいんだろ…
端末使ってエルナさん呼ぼうとしても連絡先知らないし…
おろおろするばかりでは話も進まないし、どうしたらいいんだろ…
「…大丈夫ですか？」
ふとかけられたその声に私はびくりと肩を震わせた。
…豚のモチーフの被り物を被った少年。
「あッだ、大丈夫です！！」
ちょっと待て私。
この状況で彼に助けを求めなくてどうする。
ホントにどうするの。
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こひな(プロフ) - さとう。さん» ありがとうございます〜！ミカグラもうずいぶん前の作品なのでこうして面白いと言っていただけてすごく嬉しいです！ありがとうございます！！！ (2018年11月15日 21時) (
レス) id: f35a13aa1c (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - 面白いです、！更新楽しみにしてます！ (2018年11月15日 21時) (レス) id: a9ffbbba50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こひな | 作成日時：2018年8月25日 1時
