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星空きらきら ページ19

次の日に、アスヒ君に言われた通りに屋上へやってきた。

少し昼間よりも冷たい風が吹く中、とことこと歩みを進める。

空を見上げれば雲もなく、綺麗な星が見えていた。

「アスヒ君〜?いる〜?」

呼びかければ見ていた方向と逆から声がした。

「こ、こっちです!来てくださってありがとうございますです!!」

少し照れながらもぶんぶんと手を振っていて、なんだか女子としてちょっと負けた気分。

可愛いんだけど、男の子としてそれは嫌なのかな?

「呼んでくれてありがとうね!やっぱりここ星綺麗に見えるねぇ」

「いえいえ!誰かと見るのも楽しいですから!」

本当に彼は星が好きなんだなあ。

でも、こんなに綺麗なら見とれちゃうのも無理ないかも。

「ねえアスヒ君!望遠鏡…つ、使ってみてもいい?」

ちょっと自分らしくないけど見てみたいからという自己主張。

自分でも今目がキラキラしているんだろうなあと思う。

「勿論です!あ、ここのボタンを押さないように気を付けてくださいね」

レンズをワクワクしながら覗く。

見てみると、とても現実とは思えない綺麗な景色が見えた。

「わ〜…綺麗…」

「綺麗ですよね!この学園は星がさらに綺麗に見えるんですよ!」

星のことを語る彼は余計にテンションが高いみたいだ。

その気持ちはよく分かる。

私だって本のことを話すと三割増しで饒舌になるから。

ポケットからメモとペンを取り出して文字を書いていく。

「?何書いてるんですか?」

「メモだよ!この景色を覚えておけば小説を書くのにも使えると思って!」

星は何十年も何百年も人を虜にしてきた。

この煌めきを文で表現するのは難しいかもしれないけど。

「…いいですね!文の星なら曇りでも雨でも見ることができますし」

「そうでしょ!まあ、私なんてまだまだ文章書くの上手くないけどね」

「そんなことないですよ!書けたら是非見せてくださいね!」

「うん、勿論!それならなおのこと頑張らなくちゃ!」

キラキラの星の下で、初めて私の書く物語に興味を持ってくれた人としゃべる。

なんだか、この学園に来てからこういう楽しいことがいっぱいだなあ。



===
(…その笑顔は反則なのですよ)
(やっぱりAさんは星みたいなのです)
(綺麗で、強くて。……。)

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こひな(プロフ) - さとう。さん» ありがとうございます〜!ミカグラもうずいぶん前の作品なのでこうして面白いと言っていただけてすごく嬉しいです!ありがとうございます!!! (2018年11月15日 21時) (レス) id: f35a13aa1c (このIDを非表示/違反報告)
さとう。(プロフ) - 面白いです、!更新楽しみにしてます! (2018年11月15日 21時) (レス) id: a9ffbbba50 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:こひな | 作成日時:2018年8月25日 1時

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