【声優】私が恋した文系声優【堀江瞬】

はちぺーじ ページ9

『堀江さん！』


どう考えても朝食を作ることができない。


「な、なに？！」


いつまでも居座っている堀江さんに痺れを切らす。


さっきまでは幸せだった


しかし、自分の姿を鏡で見ると髪の毛はボサボサで、女である自覚の欠けらも無いような姿をしていた。


流石に恥ずかしくなり、ヘアーアイロンやらを使い、ストレートに伸ばし、軽く化粧をして、身支度を整えた。


『堀江さん、いつまでここにいるんですか！』


ここにいてもなんの得にもならないはずだ。


「え、えーとぉ…もうちょっと？」


目を逸らし曖昧に答えられる。


『もうなんでもいいですけど、今日は朝食なしですからね！』


なんの食材もないのに作れるはずがない！


「うん！大丈夫！お昼はどうするの？」


『お昼は、お兄ちゃんと約束…って、昨日喧嘩しやったんでした…』


昨日のことを後悔していた。


あそこでありがとうと言っていれば変わったのかも知れない。


もう遅いなんてわかってる。


「よし！最近できたあのデパートでもいきますか！」


『え？』


「ほら、着替えた、着替えた！」


寝室に押し込まれる。


「着替えたら教えて〜。タクシー呼ぶから」


『あ、はーい！』


突然のことで頭は回らないが、とりあえず返事はしておく。


――――――――――

数十分後


『お、終わりました〜…』


「OK！呼んどいたから早く行こ…う？」


準備の完了を知らせると、私の姿を見た途端、言葉を詰まらせる。


『あ、あの！変ですかね？』


「へ、変じゃないです！」


早く行くよ。と急かす堀江さんの顔をみると、


今朝と同じように頬と耳が真っ赤に染まっていた。

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