#34 ページ42
『はっ！』
目を覚ますと私は暗闇の中にいた。ゆっくり起き上がる。
『ここは…？』
辺りを見渡すと誰かのすすり泣く声が聞こえた。
『泣いてる…。行かなきゃ…。』
謎の使命感に囚われ泣く声を頼りに探し始める。
まだ、暗闇に目が慣れていないため。位置が把握できない。
しかし、ひとつだけわかることがある。この泣き声は幼い子だということだ。
長いこと探していると目も慣れ、泣き声が近くなっていた。
『何処…。…っ。どこで泣いてるの！？』
柄にもなく大声を出してみる。一人じゃとても不安で仕方ない。
「うっ…。うっ…ぐすっ。」
『いたっ！！』
俯いて泣いている少女。白いワンピースには血が飛び散っていた。
『この血…。自分の？』
そう問いかけると首を振った。
『返り血ね…。』
泣き止まない。
子供をあやしたことがないからやりにくい。
『…。出口を探そう。一緒に…。だから顔あげて…？』
「その必要はない。」
いきなり流暢に喋り始める。
「だって…。ここは…私たちの心の中だもん…。」
ゆっくり顔あげる。
『っ！！！』
身覚える顔。この顔は…。
『わ、…た…し？』
口角をあげ怪しく笑う
"私"
『意味が…わからない…。なんで…。』
頭が追いつかない。なんの冗談…？でも…目の前にたつ少女は…紛れもない私。
「はぁ…。理解力がなくて困るなぁ。人間らと生活して頭悪くなったんじゃない…？」
顔にも返り血がとんでいる。人間を恨んでいたときの私だ。
「そんな顔しないでよ…。えーと…。ここはね私達の心の中。ってさっきも行ったんだけどな。」
『なんで…。なんの為に…？』
「私は怒ってるの。あんた。最近人間と仲良すぎない。恨むべき相手。憎むべき相手。なんで？私達は…。なんの為にいきのこったの？！」
ここの部分だけ成長していなかったんだ。ということは私は何処かで人間たちを密かに恨んでいたのかもしれない。
まあ、どっちにしろ私のせいだ。
「じゃあさ…。逆に聞くけど…。この人間と暮らした三年間。私たちは何を学んだの?心の奥底で私達は何を思ったの？」
私は"私に"問いかける。
顔が歪む幼い私。
「うるさい！うるさいうるさいうるさい！！」
「私達は償いきれないことをした。加害者が被害者の前で平然となんかしてられない!!私も落ち着かないのよ！」
「私達が帰るべき場所はここ！暗闇なの！！決して明るいところではない!!」
「私達はずっと独りなんだよ！」
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天雪(プロフ) - 最初だけ読んだら『13日の金曜日』を思い出しました…まじで面白いです！ (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
りほ太郎(プロフ) - 千さん» 間違えました！直させて頂きます。ご指摘ありがとうございました！ (2017年7月29日 21時) (レス) id: 722aa0d309 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 質問よろしいでしょうか？＃３の「人に化けた人間」とは、どう言った意味なのでしょう？ (2017年7月16日 15時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りほ太郎 | 作成日時：2017年3月6日 0時
