#15 ページ20
エレンは頭に包帯を巻き放心状態に陥っている。
周りからは、昨日巨人皆殺しにしてやるなんて言ってなかったとか死にかけじゃないかなどのエレンを馬鹿にするような声がたくさん聞こえてきた。
その中には、不死族のあいつがいるじゃないか。あいつが蹴り飛ばしたんじゃないか、きっとそうだとか。そろそろ殴りたい。
ミカサは、放心状態のエレンの肩を揺すって彼の名前呼ぶ。
「エレン！」
肩を掴んでいる手に力が入りミシッと音を立てた。
「いでっ！」
「気にしても仕方ないよ。明日になればいいんだから....。それよりちゃんと食べて今日失った血を取り戻そう。」
アルミンの言葉はいつも正論だ。とてもいいことを言っているのに、
「...明日...明日できなかったら...オレ..どうすりゃいいんだ...。」
なのにエレンはこればかりだ。明日のことしか頭にない。今悩んだって明日できるようになるとは限らないんだから。
「だから今は、悩んでも仕方ないって..。」「情けねぇ...こんなんじゃ奴らを根絶やしにすことなんか...。」
はー。本当に情けないな、そう思いながら頬杖をつきながらエレンを眺める。
そういえばなんかさっきドキドキしたんだよな。エレンが私に顔を近づけてからおかしかったんだよな。あれなんだったんだろう。
いつの間にか会話は進んでいった。
「...でもその覚悟の程は関係ない。」
「は？なんでだよ？言ってみろ。」
「兵士になれるかどうか判断するのはエレンじゃない。」
ど正論過ぎてエレンも言葉が出ないようだ。
すると、タイミングよく鐘がなった。
「いくぞ。アルミン。リア。」
まだミカサが喋ってるのに行こうとしてしまうエレン。
『え....。あ。エレン。まだミカサが...。』
聞こえていないようだ。二人はどんどん私から遠ざかっていく。
すると
「オイ何やってんだサシャ！」
扉の方からユミルの声が聞こえた。そこにはクリスタもいた。そして、いつの間にかサシャがエレンが座っていた場所にいた。
「ハ、ハイ！」
「リア！お前も一緒に来いよ！サシャが命の恩人様になんでもするってよ!」
私もサシャのあとに続いてユミルとクリスタに駆け寄った。
「私とクリスタ分の水汲みやるって言ったよな？」
「ハ、ハイ。今すぐやります恩人様..神様...へへへ。」
「お前の救われた命は軽くないはずだよな。」
「だ、駄目だってそんなことしちゃ..。ちょっとリアもなんか言ってやってよ...。」
なんかこんな日常が当たり前のように味わえるなんて思ってもいなかったな。なんかとても幸せ。
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天雪(プロフ) - 最初だけ読んだら『13日の金曜日』を思い出しました…まじで面白いです！ (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
りほ太郎(プロフ) - 千さん» 間違えました！直させて頂きます。ご指摘ありがとうございました！ (2017年7月29日 21時) (レス) id: 722aa0d309 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 質問よろしいでしょうか？＃３の「人に化けた人間」とは、どう言った意味なのでしょう？ (2017年7月16日 15時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りほ太郎 | 作成日時：2017年3月6日 0時
