#13 ページ18
ヒョオォオォ
「まずは貴様らの適性を見る！両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ！」
今日は、とても風が強いな。そう思いながら私は耳に髪をかけた。
「全身のベルトでバランスを取れ！これができない奴は囮にも使えん！開拓地に移ってもらう。」
そう言われると心配になる...。開拓地なんかに行ってしまったら、リヴァイさんには会えないし、また、一から始めなきゃならない。
そんなの死んでも嫌だ。
「カーター訓練兵！前へ！」
もう私の番がきてしまった。普通にやればできる。できる。
私はペンダントを握りながら自分に言い聞かせた。
腰にロープを繋ぐ。
「上げろ！」
『....。』
無言で私はバランスをとってみせた。
人間らの視線が痛い。
「何をやっているエレン・イェーガー！！上体を起こせ！！」
そんな大きな声が聞こえ横を見ていると、エレンという人間が真っ逆さまになっていた。
こんなにもできない奴がいるなんて。
こいつは私より目立っていた。私に向けられていた視線が隣にそそがれる。
彼は絶望的な顔をしていた。
気がつくと私は降ろされている途中だった。もう終わりか。
そんなに心配するほど難しくなかったな。
腰に繋がれていたロープを外し、ユミルとクリスタの方へ駆け寄る。
「リアすごい上手だったね!関心しちゃったよ!」
「そんなことよりあいつ見ろよ!真っ逆さまだぜ!」
指を指しながら笑うユミルは本当に無神経な奴だと思った。
そんなこと言っちゃだめだよ!クリスタは頬を膨らませながら言った。
それからサシャも混じって喋っていると初日の訓練は終わった。
私は寮へ帰ろうとしていたときに急にこれをかけられた。
「なあ！お前暇か？！」
真っ逆さまにぶら下がっていた彼が私の肩を掴んで聞いてきた。
『えと。暇だけど。何？』
確か名前はエレン。
「お前上手くぶら下がっていたからさ教えて欲しいんだ！俺はここで終わるわけにはいかないんだ！」
彼は、深刻そうな顔で言った。何かしらの過去があったんだろう。
私はここに来てまた同じような疑問を持っている。
『私のことなんとも思わないの?』
そう。これだ。不死族なのに差別しない人はしない。
「なんのことだ？」
そう言われてしまった。なんか馬鹿らしくなってきた。
『私の名前はリア。よろしく。手伝うよ。』
そう言うと彼は嬉しそうな顔をして
「俺の名前はエレン!よろしくな！リア！」
そう言って手を握り合った。
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天雪(プロフ) - 最初だけ読んだら『13日の金曜日』を思い出しました…まじで面白いです！ (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
りほ太郎(プロフ) - 千さん» 間違えました！直させて頂きます。ご指摘ありがとうございました！ (2017年7月29日 21時) (レス) id: 722aa0d309 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 質問よろしいでしょうか？＃３の「人に化けた人間」とは、どう言った意味なのでしょう？ (2017年7月16日 15時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りほ太郎 | 作成日時：2017年3月6日 0時
