#11 ページ16
「パァン！！」
口に入れてからそれを何かと知るのはさほど時間がかからなかったようだ。
「それだけしかないから取っておいたの....。えっと貴方の分もあるよ...。」
そう言って小柄な金髪の女の子は私の方を向いた。
なんで私の分も用意しておいてくれたのだろうか。不死族のことを知らなくても通過儀礼のときの雰囲気を知っていれば普通の人はこんなことしない。なんで..？
「えっと...まず先に水を飲まないと...。」
その子は視線を芋女に戻していう。そして、貴方はたべないの？、そう問いかけてきた。
軽く手を上げていらないと表現した。はっきり言ってそんなに疲れていない。
「神様ですか！？」
芋女が小柄な女の子の方を掴む。
「えっ？」
目を見開いて驚いた顔をした。
「貴方が！？」
芋女はどんどんヒートアップしていくにつれ、声のボリュームも上がってきた。
「し、静かにしないと！」
「オイ！？」
「ひぃ！！」
明らかにビクついた。
「神ぃいいいいいいいい」
誰かの声を気にせずに女の子を揺らす。
「何やってんだ？」
背の高いそばかすがついた大人ぽいのがいた。
「えっと...この子は今まで走りっぱなしで。」
「芋女じゃない。お前だ。お前何やってんだ。」
「私？」
また、驚いた表情をして意味がわからないような顔をした。
「晩餐のパンを隠してるときからイラついてた...。」
へー。よく見てたな。そんなにこの子が気になっていたのか。
「親に内緒で飼ってるペットに餌をやるみてぇな...。なあ..お前『いいこと』しようとしてるだろう？」
この『いいこと』にとてもひっかかった。....そうかさっきなんでと思ったのは『いいこと』しようとしているからか。
なんの特なんか無いのに。恩を着せるため..？本当に芋女を思ったから...?それとも...。
自分ため？
そんな考えを頭の中でよぎらせていると、話は進んでいた。
「お前じゃこいつを担ぐのはしんどいはずだ。」
そう言って私の方をちらっと見る。すると、
「なあ..。お前。不死族らしいけど悪いやつじゃないよな。」
急に言い始めたので動揺した。
あたふたしていると手伝ってくれ、そう言ってきた。
芋女とあんた部屋同じだろ、そういった。そういえば..。
「えっと..貴方はなんで『いいこと』するの？」
「こいつに貸し作って恩に着せるためだ..。こいつの馬鹿さには期待できる。」
そう言って私達は寮へ向った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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天雪(プロフ) - 最初だけ読んだら『13日の金曜日』を思い出しました…まじで面白いです！ (2020年5月7日 22時) (
レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
りほ太郎(プロフ) - 千さん» 間違えました！直させて頂きます。ご指摘ありがとうございました！ (2017年7月29日 21時) (レス) id: 722aa0d309 (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 質問よろしいでしょうか？＃３の「人に化けた人間」とは、どう言った意味なのでしょう？ (2017年7月16日 15時) (レス) id: c3a5a30d5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りほ太郎 | 作成日時：2017年3月6日 0時
