失恋の味 ページ4
窓の外の景色を眺めながら抹茶フラペチーノを頂く。
ホイップの強い甘さの反面、抹茶からほんのりとする苦味を味わう。
その苦味は失恋の味、って言うのかな。
かつて彼女が言っていた言葉。
裏切られた心とも抹茶はよく似ていた。
街から視線を店内に戻す。
店内には『春の苺フェア』という文字がデカデカと書かれていた。
その下には紅色の苺の写真。
苺、千夏好きだったよね。
不意に今日の事が思い出される。
心臓がギュッとした。
あの子が、千夏がそう思っていたなんて信じたくない。
「ドッキリだよ。」って言って欲しい。
鼻の奥がツンと痛み、目の前が霞む。
いけない、こんな所で泣いちゃ駄目。
混雑、というほどでもないが、店内にはお客さんが多々居る。
もう帰ろう。
このままじゃ涙腺が崩壊する。
席を立ち会計へ行く。
「_円です。」
財布を出そうとしたその時、店に入って来た中年のおばさんにぶつかってしまった。
その拍子に鞄を落としてしまう。
「ごめんね。
お怪我は無い?」
「いえ、大丈夫です。
こちらこそすみません。」
床に散乱した教材を集めて貰いながら、私も屈んで拾い始める。
私、駄目だな。
だからトロいって言われちゃうんだよね。
しっかりしなくちゃ。
34人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
小町(プロフ) - 紗奈#さん» コメントありがとうございます。この量を一気に読んで下さったなんて…!ありがとうございます!とても嬉しいです(^^) (2020年6月7日 9時) (レス) id: 63d7c9df99 (このIDを非表示/違反報告)
紗奈#(プロフ) - 面白かったです。いっきに読んでしまいました。素敵な作品をありがとうございます! (2020年6月7日 9時) (レス) id: 46788b93a7 (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - あおいさん» コメント欄だとチャットになってしまうのですが…。ボードに来て頂けませんか?あと個人ページのトップに書いてある通り、申請する事を事前に教えて下さい。あ、タメ口OK! (2020年5月19日 9時) (レス) id: 63d7c9df99 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - 友達申請許可、ありがとうございます! これからもよろしくお願いいたします。 よろしければ、タメ口でもいいですか? (2020年5月19日 9時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - こんな駄作者のあおいですが、小町さんに憧れているので、友達申請、させていただきました。 よろしければ友達に……。 (2020年5月19日 9時) (レス) id: 331ddf8f4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:小町 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hopwe021/
作成日時:2020年5月6日 5時