居場所をなくした先の店で【浦島坂田船】

手段は ページ45

センラside

あれから僕たちは、あの場所から急いで2人がいるであろう場所に向かった。

せ「まーしぃっ！坂田っ！」

そう叫ぶと2人は振り返った。坂田はさっきの不安そうな顔とは違い、やる気に満ちた目をしていた。どうやら少し落ち着いたようだ。

さ「ごめんなぁ、急に飛び出してきてもうて。もう大丈夫やから！」

う「ならよかった。作戦は俺らで考えてきたから、今から説明するからよく聞けよ。」

そう言ってうらたんが小さく咳払いをして話し始める。

作戦はこうだ。

1 あいつが家にたどり着き、車から降りた時にまーしぃと僕があいつの気を引きつける。

2 その間にうらたんと坂田がAがいるであろう車まで行って助け、安全な場所に連れていく。

3 その後まーしぃ達と合流し、今後Aをあいつと関わらないようにする。

ざっくり言うと役割的にはまぁこんな感じだ。車はもう家の近くまで来ている。到着次第すぐに作戦は実行される。

本当は能力を使うこと自体、僕たちの存在が知られてしまいやすいのであまり良くないのだが、今回ばかりはそんなことを言ってはいられない。その時できるだけ周りに人がいないことを願う。

全てはAを救うためだ。Aを救うためなら、どんな手段も選ばない。これは僕も含め、この3人も同じ気持ちだろう。

その考えを読み、確かめるようにうらたんが最後にこういった。

う「どう行動するかはまかせるから、とにかくAを第1に、最優先しろよ。その為なら……


手段は、選ばなくていいから。」

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