赤の本音 ページ28
『さ、坂田さん…?』
さ「契約は…僕にして?あいつらとなんて…嫌や。」
吐息混じりに言う坂田さんの声は妙に色っぽかった。でも…その声は少し震え、怯えているようにも聞こえる。
『坂田、さん…何に怯えてるんですか…?何を怖がっているんですか?』
よくよく考えてみれば、坂田さんは私を抱きしめながら、少し震えていた。心臓からは、ドキドキと音が聞こえるほどに動いていた。
それほどに…怯えているのだろうか。何に怯えているのだろうか。
さ「俺は…Aに選ばれないことが……怖い。Aと離れるのが嫌や。……うぅ…消えたく、ないよぉ…ひぐっ…まだまだ一緒にいたい…せめて、見守っているだけでいいから……Aと一緒にいたい…まだまだ、一緒に居たい…時間が欲しい…足りひんよ…」
次々と溢れていく坂田さんの本音。それと同時に坂田さんの抱きしめる力が強まった。
消えたくない?私と一緒に居たい?時間が…欲しい?
一体どう言うことだろう。そういえば、志麻さんが言っていた。"俺らは普通の人間じゃない。" "ある人に従えていた…"
ある人っていうのは、多分、坂田さんの言ってる人じゃない。なんだか、それはわかる気がする。
私が選べば、選ばれなった人は何が起こるのか。…まさか、消えて、しまうのかな…?そんな考えが頭をよぎる。
そんなこと嫌だ。まだ出会って数日しか経っていないこの人達でも、私に居場所を作ってくれた人だ。感謝しても仕切れない。
じゃあ選ばなければいいの…?でもこの人達は選ばれることを望んでる。なぜか…この、私に。
何故かは全く見当がつかない。でも、また四人、浦島坂田船、というグループが揃った時。全て、教えてくれると思った。
『坂田さん…泣き止んでください。私は契約などのことはまだよくわかりませんが、私はこのお店がとっても大好きなんです。だから、また何度も来ていいですか?』
私から言えるのは…このくらいだった。でも、
さ「!!…はい!」
坂田さんは、涙を流しながら私に笑顔でそうこたえた。
さ「急に泣いてしもうてごめんなさい……もう大丈夫です!!」
『いえいえ、お気になさらず…』
さ「さてと…まだまだ話してたいけど、怒られちゃうから。」
そう言うと、また私をぎゅっと抱きしめて、またね、と一言聞いた瞬間、私はいつもと同じように意識を手放した。
最後に見えたのは寂しそうに眉を寄せる坂田さんの笑顔だった。
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ほぷる(プロフ) - 月夜さん» コメントありがとうございます!いつも亀更新で申し訳ないです(-_-;)これからも頑張りますね! (2021年4月4日 22時) (レス) id: 267d44aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - この作品大大大大大好きです!!更新できる限りでいいので頑張ってください!! (2021年4月3日 18時) (レス) id: 1cb00a25d1 (このIDを非表示/違反報告)
ほぷる(プロフ) - 赤坂さん» コメントありがとうございます〜!亀更新ですが絶対完結はさせたいと思ってますので…!!(勿論内緒にしますよ〜(*´ω`)) (2020年2月23日 13時) (レス) id: 92cc03210a (このIDを非表示/違反報告)
赤坂 - あ、ちなみに今の内緒ですよっ! (2020年1月24日 16時) (レス) id: bd128d24b1 (このIDを非表示/違反報告)
赤坂 - 早く続きが見たい〜!母ので勝手に見てるんであんまり見れないけど、次には更新されてると嬉しいです( ´∀`)/まぁ作者さんも無理しないのが一番ですよ!頑張って下さい! (2020年1月24日 16時) (レス) id: bd128d24b1 (このIDを非表示/違反報告)
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