お菓子の家 ページ24
ドアを開けた時、甘いに匂いと同時に私は何が暖かいものに包まれた。
その正体を知るのには、数十秒ほど時間がかかった。何しろ、何かに抱きしめられたということはわかっても、その顔が見えなかったのだから。
知るきっかけとなったのは、チラッと見えた……赤髪。そして、その後に聞こえた声だった。
さ「……ずっと待ってたよ、A。」
そう、たしかに聞こえた。かなり小さい声だったから、聞き取りにくかったけど、確かに……
坂田さんは、こう言った。
敬語を外すのはまだしも、私の名前を呼んでさらには呼び捨てだ。
別に呼び捨てだったり、敬語を外すというのがダメという訳ではない。でも自分の中で何故か"懐かしい"という感覚がしていた。
呼び捨てで、こうやって知り合いのように、友達のように話した記憶さえないというのに。一体どうして…
しかもそれは、坂田さんだけではない。今までもそうだ。浦田さんも、志麻さんも。…おそらく、センラさんも。
誰かと勘違いをしてるのか…？いや、でも私はそんな風に呼びあった人はいない…はず。
とりあえず、そのことは後で考えるとして頭は坂田さんにいったん離れてもらおう。
『さ、坂田さん、いったん離れてもらえませんか…？』
さ「どうしても…ですか？」
え、そんなに離れるの嫌…？そんな声で話されたら離れてとも言いにくい…しかも耳もとだし…
『えっと……ど、どうしても…です。』
さ「…そっか。わかりました。急に、ごめんなさい…」
『い、いえいえ！ちょっとびっくりしただけですから…』
さ「そうですか？なら良いんですけど…とりあえず、」
さっ、こちらへ、と切り替えたようで私を席へと案内した。
抱きしめられていて、周りをよく見ていなかったことに気づいて、ふと見回した。
受付の場所にはキャンディーが瓶に詰められていて、棚の中にもお菓子がたくさん入っていた。
甘い匂いはこのせいか…と、今更気付く。テーブルなどもお菓子みたいで、まるで店自体がお菓子みたいだった。
そう、まるで童話に出てくるような…お菓子の家。
坂田さんは、こちらを向いてニコニコとしながらこう言った。
さ「さぁ、ご注文はをどうぞ、Aさん。」
その"さん"付けが妙に私の中では違和感を感じていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ほぷる(プロフ) - 月夜さん» コメントありがとうございます！いつも亀更新で申し訳ないです(-_-;)これからも頑張りますね！ (2021年4月4日 22時) (
レス) id: 267d44aeb1 (このIDを非表示/違反報告)
月夜 - この作品大大大大大好きです！！更新できる限りでいいので頑張ってください！！ (2021年4月3日 18時) (レス) id: 1cb00a25d1 (このIDを非表示/違反報告)
ほぷる(プロフ) - 赤坂さん» コメントありがとうございます〜！亀更新ですが絶対完結はさせたいと思ってますので…！！(勿論内緒にしますよ〜(*´ω｀)) (2020年2月23日 13時) (レス) id: 92cc03210a (このIDを非表示/違反報告)
赤坂 - あ、ちなみに今の内緒ですよっ！ (2020年1月24日 16時) (レス) id: bd128d24b1 (このIDを非表示/違反報告)
赤坂 - 早く続きが見たい〜！母ので勝手に見てるんであんまり見れないけど、次には更新されてると嬉しいです( ´∀`)/まぁ作者さんも無理しないのが一番ですよ！頑張って下さい！ (2020年1月24日 16時) (レス) id: bd128d24b1 (このIDを非表示/違反報告)
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