居場所をなくした先の店で【浦島坂田船】

四羽の孔雀 ページ19

し「じゃあ、まずAさんからどうぞ。」

私からって言われても、思えば何を言えばいいのかわからない。好きなものでも話せばいいのだろうか。

『そうですねぇ…別になんの特徴もないんですけど、好きなものといえば、音楽とか…本とか、ゲームくらいですか…ね。』

思えば、仕事ばっかりで自分の趣味などというようなことを意識したことはなかったが、以外と休憩時間とかにしていたことを考えれば結構あった。

し「えっ！ゲーム好きなんですか？やりましょやりましょ！！」

そう言って私の手を引いて連れてこられたのは、入り口からは死角になって見えなかった場所にたくさんのゲーム機があった。

その数は数え切れないほどで、なかなか見られないような昔のものやお高いものまで置かれていた。

そして、一番強調性が高かったのは、ゲーム機でも、なんでもないある絵だった。


＿＿＿＿四羽の、孔雀。

それは、１羽１羽奇妙な色をしていて、緑、紫、赤、黄色と並んでいた。

それは目を逸らそうとしても、うちわのような羽の目のような模様に惹きつけられるように、目が離せなくなる。

なんでこんなのが飾られているのかと不思議に思っていると、

し「…これ、気になりますか？」

と聞いてきた。真剣な顔で、その目は真っ直ぐ前を見据えていた。

無意識のうちに頷いていたようで、志麻さんは絵を見て、話し始めていた。

し「この絵のこともいいますが、俺たちのことも話しますね。

浦島坂田船という俺たち四人のことは、もう聞いていると思います。

俺たちの故郷はAさんが想像出来ないような場所なんです。これは、また今度話しますね。

それで、ある人が現れて俺たちはここにやってきた。ここまではうらさんが説明してくれていたようですね。

あとは、俺たちの能力。というか、出来ることがあるってこと。

その能力はな_＿＿＿＿」




この話を聞いていた時なぜか、私はお母さんのことを思い出していた。

能力と契約→←不思議な雰囲気

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