前夜 憂梦 ページ32
「・・・大決闘祭・・・ですか」
二刀の刀を帯刀した少女・・・幽玄憂梦は、白玉楼の庭にて票を確認していた。
青目黒髪の100人中100人が美人と言うであろう端正な顔立ちをしたその少女は、生を感じない夜空を見上げる。
「・・・まさか、二回戦から出場するとは・・・」
意外とちゃんと決まっていないんでしょうか、と呟く。
「憂梦〜」
張り詰めた空気を破る様な声。
振り返ると、そこには自らの姉である幽玄白蝶がいた。
「二回戦って、明日でしょ?頑張ってね!」
「・・・はい姉様。御期待に添える様に最大限力を奮って参ります」
「うふふ、流石憂梦ね!
・・・ふわぁ〜・・・それじゃあ、お休みぃ・・・」
欠伸をして、白蝶が建物内に戻っていく。
「・・・」
その後ろ姿を見る憂梦の目は、何とも形容し難い物だった。
「・・・ほっ」
邪念を打ち払うかの如く、自らの刀である現聖刀を抜き、常人では目で追えない早さで一降りする。
鋭い音が響き、そこには靄が漂っていた。その場の空気を斬ったのである。
「・・・」
妬み、嫉み、羨望、憧れ・・・
生まれつきなんでも出来る姉への感情は、常人には理解出来ない程醜くなっていた。
「・・・そろそろ・・・寝るとしますか」
姉は何でも出来るのに、妹である自分は生まれつきの才能も何も無い。
それならば、せめて修行を積んで。
永遠とも言える時間の中で、足掻いて足掻いて。
「負けなど・・・許されない」
恐ろしい程に冷静な少女の声は、冥界の空に解けていった。
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シオンはアムルガムの派生(?) - 更新しました。お話がいっぱいになっちゃったので続編を作らせていただきました〜 (2022年12月24日 16時) (レス) id: da22832432 (このIDを非表示/違反報告)
シオンはアムルガムの派生(?) - 更新します (2022年12月24日 15時) (レス) @page46 id: da22832432 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉(プロフ) - 更新しました! (2022年12月23日 20時) (レス) id: 3b8feebb6c (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉(プロフ) - 更新します! (2022年12月23日 20時) (レス) @page45 id: 3b8feebb6c (このIDを非表示/違反報告)
十六夜紅葉(プロフ) - 天洲秋さん» わかりました! (2022年12月23日 20時) (レス) id: 3b8feebb6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サナティ x他9人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/
作成日時:2022年12月7日 14時