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fk「……ごめん」
iw「……ふっか、」
fk「ごめん、」
iw「ふっか、お願い聞いて」
赤子をあやす様に、岩本は深澤の背中をそっと撫でながら話した。
iw「……確かに、お前と一緒に生きていかなければ、俺は殺しなんてやらなかったかもしれないよ」
fk「ほら、」
iw「でも!」
深澤が否定する前に岩本は食い気味に被せた。
iw「お前が声をかけてくれなかったら俺はずっと独りだった」
fk「……っ、」
iw「俺はとっくにグレて、今よりずっと荒れてたかもしれない。殺しなんかじゃ済まないくらいとんでもない事やってたかもしれない」
fk「……まともに、生きられたかもしれない」
iw「そうかもしれないけど、ずっと寂しい思いはしてたと思う」
fk「……」
iw「わかんねえけど、想像しか出来ねえけど」
岩本は深澤の背中をそっと撫でる。
iw「確実に言えるのは一つだけ、お前と生きていく事を選んで本当に良かった」
fk「……」
iw「俺はふっかがいない生活なんてもう考えられない。お前はそれくらい当たり前で、大切な存在なんだよ」
深澤は何も言わない。岩本は静かに深澤の言葉を待った。
fk「……なは」
iw「ん?」
fk「みんなは、そうは思ってないだろ」
深澤の心はすっかり折れていた。そう簡単に元には戻らない。彼の心に降る雨は未だ止まない。
iw「……直接聞いた訳じゃないからわかんないけど、きっとみんな俺と同じ気持ちだよ」
fk「なんでそんな事言いきれるの」
iw「だって、」
深澤の頭をそっと撫でて、岩本は優しく耳元で答えた。
iw「そうじゃなきゃ、あんなに必死こいてお前の事助けに行かないだろ」
fk「……」
iw「そんなに心配なら直接聞いてみたらいいだろ」
fk「それは……いい」
深澤の答えに微笑みを湛えた岩本は、彼の全身を愛情で包むように、抱き締める力を少し強くした。
iw「なあ、信じてくれよ。俺達には、俺には、ふっかが必要」
fk「……っ、」
iw「誰の息子だろうが関係ない。お前の肉親が何をしたかは関係ない。俺達にはお前が、深澤辰哉が必要なんだよ」
fk「……」
iw「だってお前は、俺達の……家族だろ」
沈黙の後、長い雨が止んだ。
fk「……ねえ、」
iw「なに?」
fk「もう少しだけ、一緒にいていい……?」
iw「ふざけんなよ」
深澤の控えめな言葉を、笑い混じりに岩本が一蹴した。
iw「全員死ぬまで一緒だよ」
雷を鳴らしていた重く黒い雲が、晴れた。
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです！ (2022年1月3日 21時) (
レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…！本当は心からの高評価です、おもしろかったです！嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…！ (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな！！ (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます！ (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年8月29日 15時
