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kj《待って!!》
部屋を出ようとする阿部達を引き止めたのは、電話の向こうの向井だった。
ab「どうした?」
kj《……俺も連れてって》
iw「お前その体じゃ、」
kj《わかっとるけど、ここで指咥えて待つなんて絶対嫌や》
向井の申し出に一瞬迷ったが、岩本はそれを断ろうとした。彼が口を開く前に向井に加勢したのはラウールだった。
ru「俺も行きたい」
ab「お前はだめだって、危険すぎる」
ru「車にいるだけでいいから! 康二くんも車で待機するくらいなら出来るでしょ!!」
kj《俺が車に残って阿部ちゃんとラウール守ったる、それでええやろ》
ab「……でも」
ru「お願い!! 俺だってふっかさん助けたいの!!」
阿部と岩本は顔を見合わせた。大きすぎる熱量と大きすぎるリスク、どちらを取るか。
やがてどちらからともなく顔を逸らすと、視線を交わらせないまま言葉を交わした。
iw「……ラウールのマスクとスーツってあるの」
ab「実は作っちゃったんだよなあ」
ru「……だったら」
岩本は諦めたようにため息を吐いた。
iw「……絶対に誰かの傍にいる事が条件だ」
ab「あと俺の言う事は必ず聞け」
ru「っ……うん!!」
ab「康二もだ、よっぽどの事が無い限りお前は車にいろ」
kj《ほんまにありがとう!!》
黙って成り行きを見守っていた渡辺達が、微笑みを湛えて足早に部屋を出る。
続いて岩本も、阿部とラウールも急いで準備を始めた。
nb「……脚長っ」
dt「ランウェイ歩けるね」
ru「ありがとう、でもふざけてる場合じゃないよ」
sk「だってマジで似合ってるんだもん」
ラウールのスーツ姿の初お披露目をした所で、彼等は急いで車に乗りこみ、先ずは病院へ向かった。
スーツを受け取った向井もすぐに準備を済ませ、8人で敵の城へ向かう。
iw「よく先生許してくれたな」
ab「まさかこっそり抜け出してきたとか言わないよね」
kj「それは無いって! その代わり、どんなに死にそうでも生きて帰ってくる事が条件って言われた」
mg「……先生らしいわ」
岩本が飛ばした車はやがてあるビルの近くに止まった。商社ビルと見せかけ、建物まるまる一つが奴の組織の拠点である。
iw「……着いた」
先程まで漂っていた柔らかい空気が一気に張り詰めた。
彼等は気を引き締め、車内で最後にもう一度作戦を確認した。
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長谷川遥香(プロフ) - 完結したけど続きでリクエストバージョンも見たいです！ (2022年1月3日 21時) (
レス) id: 3679b26edd (このIDを非表示/違反報告)
雷(プロフ) - ものすごくおもしろくて、一気読みもしたのに誤って低評価を押してしまいました…！本当は心からの高評価です、おもしろかったです！嫌な気持ちにさせてしまったらすみません…！ (2020年10月14日 22時) (レス) id: 02bdc07e91 (このIDを非表示/違反報告)
kjars8888888(プロフ) - やっぱアジさんの裏稼業が最高だな！！ (2020年9月21日 23時) (レス) id: 55f2f63f60 (このIDを非表示/違反報告)
mgrwtnb(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後まで涙が止まりませんでした。これからも応援してます! (2020年9月17日 20時) (レス) id: 1e6ed00ec9 (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - 完結おめでとうございます。とても面白く、更新を毎日楽しみにしていました。これからも応援してます！ (2020年9月15日 22時) (レス) id: afba355943 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年8月29日 15時
