Hope In The Darkness IV

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nb「……だめだ、あいつ電話出ねえ」
sk「GPSとか付けてないの?」
iw「GPS仕込んだピアスは置いてあった」
ab「急いで調べてるけど反応無い、あいつ何にも付けてねえしスマホも電源切ってる」
kj《こっちには来てへんよ……なあ、ふっかさんいなくなったってほんまなん……?》
dt「……今必死で探してる」


スピーカーにしたスマホからは向井の狼狽えた声が聞こえる。手がかりは一向に見つからない。


sk「もうさ、Fのとこ突っ込んじゃだめなの!?」
iw「そこにふっかがいなかったらどうすんだよ!?」
sk「ライフル持って突っ込むとこなんてそこしかねえじゃん!?」
iw「あいつが一人で乗り込む理由は何だよ!?」
dt「喧嘩してる場合じゃねえだろ!」


怒声を背後に手を動かしていると、目黒はラウールが固まっている事に気づいた。


mg「……ラウール?」
ru「……あった、」


ラウールの小さな声を拾った彼等はすぐにラウールの周りに集まった。
彼が見つけたのは、持っていたのは、DNA鑑定の結果の書類。深澤とFが親子である証拠。


kj《え、何……?》
mg「……これ、」
sk「親子……?」
nb「あいつ……何時の間に」
ab「ざけんなよ、」
dt「じゃあふっかは」
ru「やっぱり一人で……!」
iw「っ……あの馬鹿!!」


全ての元凶が自身の家族だと知って責任を感じた深澤は、自らの手で全てを終わらせるために、規模の大きすぎる相手にたった独りで挑みに行った。


見つけた証拠からそう確信した彼等はどうするか、そんなの決まっている。
無駄に格好つけた馬鹿をとことん貶しに行かなければならない。


iw「……準備しろ」






見当違いな責任など感じる必要は無い。
お前は俺達に何をした。地獄の奥底に堕ちようとしていた俺達を掬い上げただろう。誰かを地獄の奥底に突き落とそうだなんて、一度もした事はないだろう。


少年を殺めた孤独な俺を、
独り罪悪に呑まれた俺を、
一瞬で全てを失った俺を、
親友を救いたかった俺を、
親友を守りたかった俺を、
愛情を悉く奪われた俺を、
復讐で自らを蝕んだ俺を、
恐怖で死すら願った俺を、
暗闇の中から救ったのは、
希望を見せてくれたのは、間違いなくお前(貴方)だ。


今までもこれからも、お前はデカい顔してサボっていればいいんだ。
なのに今更まともに働こうなんて、勝手に罪悪感なんか感じて、一人で全てを背負おうだなんて、
＿＿「家族(俺達)」を置いていこうだなんて許さねえ……!!

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