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岩本達が戻った時には、渡辺はやや落ち着きを取り戻していた。
流石に3人の処置がすぐに終わる事は無く、彼等は先生が出てくるまでほとんど話す事無く静かに座っていた。
全てが終わったのは夜が明ける頃。すっかり疲れた様子の先生と阿部が部屋から出てきて4人は立ち上がった。
「……怖い顔するんじゃねえよ」
ab「全員無事だから、今は麻酔で寝てる」
nb「よかった……」
その言葉を聞いた渡辺の足から力が抜ける。
再び座り込んだ渡辺を見て先生は軽い舌打ちをした。
「ったく……一気に3人は流石に疲れるんだけど」
fk「ありがとうございます、ちゃんと金は払いますから」
「当たり前だろ」
先生は草臥れた白衣のポケットから煙草を取り出すと、処置室のドアにもたれてふかし始めた。
ab「……それ吸い終わるまででいいので教えてください、あの男の事。なんならその分も払うので、お願いします」
我慢できなくなった阿部が懇願した。
阿部を一瞥した彼は、返事をする代わりに下を向いてゆっくり煙を吐き出した。
「『
岩本と深澤、阿部は顔を見合わせた。噂をすればとはこの事か。
sk「……何それ」
ab「二挺拳銃を使う殺し屋……あの、他に知ってる事は」
iw「あ、生い立ち……とか」
「そんなの知るかよ、名前すら知らねえのに」
先生が灰皿に煙草を打ち付ける。残された時間は長くない。
ab「何でもいいです、他何か無いですか」
「んな事言われても……ああ、」
ab「何ですか」
煙を吐き出しながら、彼はぽつりと呟いた。
「不眠症は相当酷い、毎日一時間も寝てないんじゃねえかな」
ab「……どうして」
「知るか……ただ、あいつは治す気は無い」
sk「なんで?」
「さあ。本人が寝なくていいって言ってるし、薬出したって飲まねえからほっといてるけど」
最後に煙を吸い込んで、煙草を灰皿に押しつけた。時間切れだ。
「適当な部屋にベッド運んどけ、何かあったら起こせ。どうせ急変とかしねえだろうけど」
ab「え、あの」
「……邪魔」
先生の進路に立っていた佐久間がその冷たい声で飛び退く。
欠伸をかみ殺しながら、彼は再び眠りにつくべく立ち去った。
iw「……不眠症、か」
fk「なんか……闇深そうだな」
不眠症を患いながら孤高に生きる殺し屋。彼は何者か。
ab「とりあえず……舘さん達運ぼうか、康二と同じ部屋で良いよね」
nb「……あいつは同じ部屋にしないで」
ab「当然」
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
