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最初は、衰弱しきった少年を先生の元に連れて行こうとした。
しかしこの少年は本来殺す予定だった相手だ。彼の存在が何処の誰に知られているか分からない以上、不用意に彼を連れ回したり人に会わせる事は出来ない。
それが例え、この世界の中では比較的信用できる相手だとしても。
結局彼等は少年を住処に連れ帰り、一先ず地下のリビングに布団を準備して寝かせていた。
彼がいつ目を覚ますかは分からないが、深澤達はそれまでずっと見守ることにした。
佐久間はだいぶ落ち着いたが何時またパニックを起こすか分からない。そのため、阿部と共に部屋で休んでいる。
dt「……捕まってたの、この子」
fk「うん。たぶん……人身売買でもされたんだろうな」
nb「サンドバッグにして遊んでたの? お偉いさんの趣味はわかんねえな」
kj「……うわ、酷い」
綺麗な服を着せてやろうと少年の服を脱がせていた向井が手を止めた。
無数の痣に根性焼きの跡、治りかけの切創は、彼がどんな仕打ちを受けてきたかを十分に表していた。
iw「いつからこんな目に遭ってたんだろうな」
mg「……早く治るといいね」
kj「……うん、」
目黒も手伝って、向井は再び彼に服を着せようと手を動かした。
「……ん、」
kj「ん?」
fk「どうした?」
kj「起きる……かも」
ちょうど服を着せ終わった所で、少年の眉が僅かに動く。
全員で少年の顔を覗き込んでいると、ゆっくりと彼は目を開けた。向井が代表して声をかけてみる。
kj「……おはよ、」
「嫌っ……!!」
kj「あ……」
目の前に見知らぬ沢山の顔があったせいか、少年は目を大きく見開いたと思うと顔を背けて必死に体を丸めた。
その体は震え、呼吸がどんどん速くなっていく。どう見ても彼は怯えていた。
dt「……離れた方が良いかな」
iw「だな」
「ごめんなさい、」
kj「……大丈夫やで? 何もせえへんよ?」
刺激しないように向井が出来るだけ優しく声をかけるも、彼は酷く震えるだけ。
やがて少年ははっとした顔になると掠れた声で叫ぼうとした。
「あ、だめ……!」
nb「あ」
叫びと言えない音量の叫びを残し、少年は布団から急に飛び出した。向かった先は部屋の隅。
自分が居心地の良い場所にいてはいけないという彼の本能だった。
「ごめんなさい、」
iw「っ……」
「ごめんなさい、ごめんなさい……!」
その高い背をこれでもかと丸め、彼は虚ろに繰り返していた。
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
