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ab「君は……中学生の時に家族を殺されてるよね」
kj「え、」
ab「君だけはたまたま出かけていたから助かった。でも親も、弟も犠牲になった」
向井は思わず阿部の横顔を見た。深澤は予め聞いていたので何の反応もしない。
目黒は何も言わなかった。沈黙を肯定と見なし、阿部は話を続けた。
ab「その犯人、警察は見つけてくれなかったんだね。だから警察に裏切られたと思ったのかな……お父さんが警察官だったから、尚更?」
mg「……っ」
ab「親戚も面倒見てくれなくて施設行きになって、施設でも独りでいたんでしょ? 勝手な推測だけど、可哀想って言うだけ言って誰も何もしてくれなかったんじゃない? そうだとしたら、誰も信じられなくなる気持ちは分からなくもない」
目黒は唇を噛んで俯いていた。反論は無い。
ab「それで君は、自分の手で犯人を見つける事を選んだ。見つけて、裁くと決めた。そのために、誰にも頼らずに……たった独りで生きると決めた」
mg「……」
ab「……ここまではあってる?」
目黒は反応しない。それを肯定と見なした阿部は、目黒を確実に揺さぶる言葉を投げた。
ab「その犯人……分かったんだよね」
ゆっくり目を見開いて、目黒が阿部の顔を見た。向井もそれには驚きを隠せなかった。
唯一深澤だけは、腕を組んで静かに全てを見守っていた。
ab「どうする、」
mg「教えて」
阿部の言葉を半ば遮って目黒は頼んだ。明らかに動揺していた。
その反応が、阿部の今までの話が全て間違っていない事を裏付けた。
mg「お願い……教えて、ください」
ab「……本当に良いの」
mg「お願いです、何でもするから」
ab「……そういう問題じゃない」
mg「じゃあ何だよッ」
阿部が嘘を吐いているとか、罠を仕掛けているとか＿＿勿論そんな事はしていないが＿＿疑いをかける事など忘れ、懇願した。
誰も信用しないと決めていた目黒が、盲目的に相手の言葉を信用するなどあり得ない事だった。
しかし、ついに時が来たのだ。目黒は必死だった。
その思いを分かっていながら、阿部は俯いてなかなか真実を口にしなかった。
mg「……早く、殺してやりたいんです」
ab「……っ」
mg「お願いです、教えて」
ab「……」
fk「……阿部ちゃん」
見かねた深澤が背中を押して、やっと阿部は口を開いた。
ab「覚悟……決めてくれる」
mg「もう決めてる」
阿部は視線を落としたまま、小さな声で事実を伝えた。
ab「犯人……もう死んでる」
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怜(プロフ) - 如月ﾖｼﾉ。さん» ありがとうございます! そうですめめです! ゆっくりですがこれからもお付き合いよろしくお願いいたします! (2020年7月16日 21時) (
レス) id: 03141f9b41 (このIDを非表示/違反報告)
如月ﾖｼﾉ。(プロフ) - 移行おめでとうございます！次の加入組はめめですかね？今後の展開も楽しみにしています！ (2020年7月13日 0時) (レス) id: 3bc10946d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜
| 作成日時：2020年7月12日 15時
