【ワールドトリガー】異能トリガー使いが騒動を起こしました。【番外篇】

迅悠一 ⇔ 子供と大人 ページ10

私の知ってる19歳には２パターンある。

一つ目は、蓮先輩みたいな大人っぽいヒト。

太刀川先輩の方が蓮先輩より年上なのに蓮先輩の方が大人に見える。

冷静沈着で、でも優しくてそんな蓮先輩に密かに憧れている。

二つ目は、嵐山先輩のようなヒト。

普段の姿と兄弟の前で見せるギャップを持っている。

たまに妹さんと弟さんの自慢をされてるって藍から連絡くるけれど、それは家族が大切って証拠でもある。

迅先輩は両方のパターンを持っている。

普段は大人っぽくて頼りになるヒト。

でも時々、子供みたいになる。

最上さんが亡くなった時、皆の前では泣かなくて代わりに泣いていた私を慰めてくれた。

その時は「悲しくないのかな」って思った。

けれど、それは間違いで誰もいない部屋で迅先輩は静かに泣いていた。

私は子供で、何も言えなくて自分が嫌になった。

「ねえ、先輩」

迅「どうしたんだ？」

「なんで弱音を言わないんですか？」

迅「……吐いてるよ。だから、いつも聖華に甘えてる」

「甘えてるのは私で先輩は甘やかしてます。私には言えませんか？」

迅「おれ、聖華以外に抱き付かないんだけどなあ」

「セクハラはしてる癖に…」

そのたびに私は嫉妬しているんだ。

きっと先輩は、それに気付いていない。

「知ってます？大人は二十歳からなんですよ」

迅「世間的にはね」

「先輩はまだ19歳です。まだギリギリ子供です。だから、どうぞ」

そう言って両手を広げる。

「今日は特別に何をされても怒りません」ﾆｺｯ

迅「本当に？」

「はいっ！」

私の言葉に先輩は少し恥ずかしそうだったけれど、いつも以上に抱き締めてくれた。


「先輩」

迅「ん？」

「平和な日々になったら、私のことお嫁さんにしてくださいね」

迅「……っ」

顔を真っ赤にさせる先輩が可愛く見えた。

迅「もちろん」

でも先輩の表情はいつも通りに戻り、私の唇に口付けを落とした。

Ａ級３バカ　本→←�鶚

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