母 ページ24
Aside
室内に響いた機械の声
それは確かに私に向かって『おかえりなさい』と、『マザー』と言った
何かの間違いではないだろうか
否、何かの間違いだ。
部屋に誰かが入ってくれば、そうアナウンスするように設定しているのだ
きっとそうに違いない
そう信じて、ゆっくりとした足取りでメインモニターへと近づく
『新着情報ガアリマス。選別シマスカ？マザー』
A「ちがう……私は…」
『脈拍ノ上昇ヲ感知。マザー。座ッテクダサイ」
まるで子が母を心配するようにそう言うAI
背後にはどこから持ってきたのか、椅子が置いてあった
A「私は…マザーじゃない…」
マザーだなんて言われたら…それは私が……
『否。“マザー”ハ“マザー”デス。住人番号、O000。A。私タチAIノ生ミノ親』
嘘だ
私が作ったなんて、
私が生みの親だなんて
嘘であって欲しいのに、向き合いたくないのに
メインモニターには私の顔写真と情報が表示されていた
嫌な冗談だ
私がこの世界を構築するAIを作っていただなんて
そんなの間接的に私が人を……
『…私ノ言ウコトガ信ジラレナイノナラ、日記ヲ見ルコトヲ勧メマス』
日記を書くのが私の日課だったと言うAI
日記というのはあのノートのことだろうか
うらたさんが私のものだと渡してきたあのノート
今は一緒に持ってきたバッグの中に入っている
気づいてはいた
自分のものだと。
でも、受け入れたくなかった
だってこの日記の書き手は、この世界を創ったことを誇らしげに書いていたのだ
全てに目を通したわけではない
だけど、彼女は自分の技量を発揮できてうれしそうだった
それが自分だなんて、信じたくなかった
『マザー』
A「…わかってるわよ…受け入れればいいんでしょ…」
私が受け入れない限り、何も変わらない
彼らの望みだって叶わない
唇を噛みしめながらバッグから日記を取り出し、制御盤の上に広げる
この世界のはじまりは、
笑ってしまうくらい単純な気持ちだった―――
全ての人が平等で、全ての人が幸せな世界を創りたい
彼だけじゃない。
これは…私の望んだ世界でもあるんだ―――
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橘 緋奈 - サクシャサン、ガンバッテクダサイ、コウシンタノシミニシテマス。応援してます！！(*´ω｀*) (2020年2月25日 10時) (
レス) id: c7e8b0e732 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - サクシャー。ガンバッテー。コメ欄のノリに乗ってみました、更新頑張って下さい（ ＾ω＾）ノシ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - サクシャー、コウシンタノシミニシテルヨ。応援してます！！ (2020年2月24日 21時) (レス) id: ea8e5cf766 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃー - ガンバッテクダサイ、サクシャー。応援してます！！ (2020年2月24日 18時) (レス) id: 37819c746e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：武蔵野 三歩止（ﾑｻｼﾉ ﾐﾎﾄ） | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年1月31日 14時
