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案内人 ページ15

Aside



そらるさんに連れられやってきたのはまふくんがいた階の2つ下

3つ並ぶボタンの一番下のところだ


この階は小部屋が並んでいるようで、マンションの廊下を彷彿とさせた

白一色の壁と扉が並ぶ中、扉の脇には表札のように色のプレートがかかっていた

黄色に紫に赤…緑に青もある


その中で私が案内されたのは、赤のプレートがかかった部屋

部屋の中はシンプルで、机と椅子と箪笥とベッドが置いてあるくらいだ

淡い赤色のカーテンがかかった窓からは、きっといい景色が見えるのだろう


そらるさんは私をここへ連れてくると、自分はそのまま去ってしまった

まふくんのところに戻ったのかな

なんて、思いながら椅子へ腰掛ける

なんだか懐かしい気分だ…


ふと視線を落とすと、机の上に一枚の紙がたたんでおかれていることに気づいた

ゆっくりと手を伸ばし、開いてみる

一行目に書かれていたのは、本当にもう戻れないのか?という疑問の言葉だった


誰が誰に宛てたものかもわからない

本当は読んではいけないのだろうけど、私は読み進めることをやめなかった


どうやらこの手紙の書き手は、送り相手を諭しているようだ

人を生き返らすなんてやっぱりダメなのだと、目を覚ますべきだと

感情のままに書いているのか拙い言葉を紡いで訴えている

そして最後には信じていると、待っていると書き残されていた


震える手に気づかないふりをしながら手紙を机に戻す

この手紙の主は…どこへ行ったのだろう…

何を思ってこれを相手に渡さずに、ここに残したのだろう

もしかして忘れたのかな…

だとしたらかなりのうっかりさんだ


ぼんやりと浮かんだ彼の姿にクスリと笑うと、部屋の扉が開いた

ゆっくりと視線を移すが、そこに人の姿はなかった

いたのは本物そっくりな猫のロボット

私とそのロボットの視線が交わると、その子は私を誘うように動きだした


素直についていくとエレベーターに乗るように促してきた

私とその子がエレベーターに乗ると、待っていましたというように扉が閉まり

何も押してないはずなのにエレベーターが上昇した

着いた先は1つ上の階

開いた扉の先には広い廊下が広がっていて、奥のほうに頑丈そうな扉が2つだけあった


廊下を突き進む猫が足を止めたのはその扉の前

中へ入れとでもいうのか?

扉を見る感じ、取っ手のようなものは一切ない

周りを見てみると塔の入り口にあったような認証装置があった




「――――ダメだよ」

部屋→←懊悩



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橘 緋奈 - サクシャサン、ガンバッテクダサイ、コウシンタノシミニシテマス。応援してます!!(*´ω`*) (2020年2月25日 10時) (レス) id: c7e8b0e732 (このIDを非表示/違反報告)
Noel*26(プロフ) - サクシャー。ガンバッテー。コメ欄のノリに乗ってみました、更新頑張って下さい( ^ω^)ノシ (2020年2月24日 23時) (レス) id: 3a6dfc07f6 (このIDを非表示/違反報告)
あおい(プロフ) - サクシャー、コウシンタノシミニシテルヨ。応援してます!! (2020年2月24日 21時) (レス) id: ea8e5cf766 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃー - ガンバッテクダサイ、サクシャー。応援してます!! (2020年2月24日 18時) (レス) id: 37819c746e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:武蔵野 三歩止(ムサシノ ミホト) | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月31日 14時

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