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ぷくぷく撃退チャレンジ ♡ ページ43



シーズンオフの昼下がり。コーヒー片手に資料に目を通している時に、爆弾は落とされた。

「……ねぇ、Aさん、最近太った?」
「オブラート勉強してきて」

唐突に爆弾を落としてきた目の前の翔平くんは、シーズンに向けてちゃんと体づくりに取り組んでいる。おかげで肩周りもしっかりしてきたし、おしりなんてもう国宝級に仕上がってきてる。
けど、私のまで育つとは聞いてない。どう考えても必要のない、私のおしりやら二の腕やらまでむちっとしてきた。

オブラートは覚えてほしいけど、現実は現実。ふっくらとしてきたような二の腕をつまみながら、翔平くんに尋ねる。

「やっぱりそう思います?」
「う〜ん、なんかちょっと、ふにっとした気がする」
「気のせいじゃなかった!太りました!」

うぅ、やっぱり……。ここ最近、怖くて体重計からも離れたからな。夏バテで減ったから大丈夫とかやっぱり嘘だった。秋って本当に美味しいものしかないからね。しかもシーズン終わって、秋キャンプ終わって、活動量も絶対減ったんだよね。そりゃ太るわ。

「だよね……ちょっと計ってくる……」

現実を見つめ直すために、とりあえず体重計に乗ろう。それから考えよう。ほら、筋肉が減っただけかもしれないし。まぁ100贅肉が増えたんだろうけどさ。

脱衣所に行き、恐る恐る、板の上に乗ればそこには想像通り、私の知っている数値よりは幾分多くなったものが表示された。

「あぁ……うん、太ったなぁ……」
「何kg増?」
「3、いや4かな……って、なんで見てるの!」
「ん?ちゃんと数字で確認するのは大事でしょ?」
「私だけ知ってればいいの!君は知らなくていいから!」

事実確認とかそういうのいいです、要らないです。自分でやるので。管理できなかった結果が今の体、と言われればそれまでなんだけど。

「……痩せなきゃ」
「別によくない?」
「よくない!」

逆に何をもってして大丈夫と判断した?大丈夫な要素、1個もなくない?

野球選手なんてみんな大柄だから少しぐらい太っても傍から見たら分からないよ〜、なんて思うかもしれないけどせ全然そんなことない。分かる、ちゃんと太ったな、って写真見れば分かる。
それに、選手たちの奥さまは大体みんな美意識が高いので少しでも体重を増加させようものなら容赦なく「痩せれば?」とか「最近丸くなったね」とか言ってくる。

つまりデブ化はいっかんの終わりってわけ。


ーーーーー

前話との落差で、グッピーが心配になりますね

. ♡→←. ♥



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:haru | 作成日時:2023年5月3日 0時

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