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ここでも個室に入って向かい合わせに座った


可愛いグラスに入ったお酒をちびちびと飲みながら目の前でスマホを触ってる安田さんを目の前に一人で話しだす


「最初はアイドルだから好きって言うのも渋ってたんです。で、いざ交際関係になってみればバシャバシャと週刊誌に撮られて。 これじゃファンの人に示しつかないし、アイドルとしての丸山さんを下げたくて付き合ったんじゃないし、って思って。 」


「ずっと好きだったんですよ、本気で。 だから付き合ってた期間はずっと夢のようで楽しかった。 けど夢は見たら覚まさなきゃ、身を滅ぼすでしょ。」


「だから、2回目記事になったときを機会として、お別れを、って。」


安「それってマルの意思はないやろ」


ゆっくりゆっくり話して、区切りがいい時にずっと聞いていてくれた安田さんが声をあげた


「全部私のエゴです。 自分勝手な私と優しすぎた丸山さん、ってだけなんだと思います」

安「で、未練タラタラと。」

「そう、ですね」


未練タラタラすぎてロクに話せません。


安「角田さんあれ以来いっこも熱愛報道ないやろ」

「告白はされるけどどの人もかっこよく思えなくて」


安「もう一回付き合えるなら、付き合いたいと思う?」

「んー…どうでしょうね。 楽しい夢のような時間だったけど外を堂々と歩けなかったり手繋げなかったり、人に自慢できないのが少し辛かったからなぁ…」


こればっかりはどうにもならないでしょ、と思いながらぼやいていると安田さんが急にスマホを耳に当てて

安「、やって。 聞いてたぁ?」

とか言いだしてハテナ。



安「ほんならいつものバーの1番奥のとこな。」


そう言ってまたスマホを置いたから


「もしかして、なんですけど、」


嫌な予感しかしない。


安「そのもしかして、やな」


アイドルはここまで輝かしい笑顔を見せられるんだ、と感心すらしそうな表情をされた


安「通話繋いで全部大倉とマルにやってた。 これからマルか大倉か…もしかしたらどっちも? 来るから俺は帰るわぁ。」

さいなら〜って言って手を振って帰っていく安田さんを半ば恨みつつグラスに残っていたお酒を一気に煽った




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作者名:しのはら | 作成日時:2017年7月29日 23時

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