柿原徹也短編集

喧嘩2 ページ4

徹也に手を繋いだまま引っ張られ、


そのまま車の助手席にのせられた。


｢バカ！どれだけ心配したと思ってんの？


今回は良平の家にいたからよかったけど、


事故とかにあってたらって思って


気が気じゃなかったんだからな！？｣


初めて徹也に本気で怒られた気がする。


｢ごめんなさい…。


徹也、心配してくれてたの？｣


｢当たり前でしょ？｣


｢だって私、あんなにひどいこといったんだよ？｣


｢それでも好きな子が家出したんだ。


心配するし、怒る。｣


｢うっ…っ…｣


涙が止まらない。


｢徹也ぁ…ごめんねぇ…


もぉわがまま言わないからぁ…｣


｢わかった。わかった。


泣くなって。


今度さ、Aが行きたいって言ってた


パンケーキ屋さん一緒に行こうか。


今は忙しいから、いつになるか分からないけど


仕事が一段落してからさ、


それまで我慢してくれる？


俺さ、Aにそこまで負担かけてると思わなくて…


ごめんな。｣


｢うん。我慢するぅ…。


徹也は悪くないよぉ！！！！！！


徹也大好きぃぃぃぃぃ！！！！！！｣


｢あはは。涙で顔くじゃくじゃ。｣


｢うっさいぃぃぃ｣


｢あ、そうだ。｣


｢ん？｣


｢後で良平にお礼ちゃんと言っとくんだよ。


どうせ泣きながらピンポン連打して


良平困らせたんでしょ。｣


あ、図星。


｢うん…。｣


｢そしたら、今度良平のお礼のプレゼントも


一緒に買いにいこうか。｣


｢うん！そうだね！｣









これからもたくさん喧嘩するかもしれないけど


なんだかこの人とだったらやっていけそうな気がする。


そう思った今日この頃。









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