38話 ページ40
夏油の唇と私の唇が、
一瞬、ほんの一瞬だけ触れた。
触れるか、触れないかの
ギリギリのその距離に
心臓が大きく飛び跳ねる。
…触れた?触れた、触れたよね。
唇が、唇とくっつくことをなんて言うんだっけ…。
脳が答えを割り出す前に、
正に呆然とした表情の夏油が答えを呟く。
「…きす」
キス
日本においては一般的に恋人、夫婦の行う行為。
外国では親子、友人同士などで
し合うことも無くは無いが、
唇にするキスは特別だ。
唇にするキスーーそれは、愛情を指す。
ねえ、バレンタインの神様…??
いくらなんでもそれは………
ご褒美通り越して罪では…??
『た、大変ごめんなさいでしたぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!』
「いや、あの、A!?」
私の特技の1つ、
小声で叫ぶを盛大に披露する。
やばい、焦りすぎて変な日本語になった。
いや、だめだ、それは駄目だ。
推しの唇を奪うとか…笑止千万だわ。
喜ぶとか嬉しいとか恥ずかしいってのもある…
あるが、あるけど!これは罪!!
やっちゃ駄目なやつ!!
明日が私のリアル命日かもしれない!!
あっ…どうしよう…混乱で涙が…。
じわりと滲んできた涙に視界が歪む。
そうすれば私の反応に
酷く驚いていた夏油がはっと表情を変えた。
「本当に、すまない、その…私のせいだ」
『だいじょうぶぅ…』
いや、むしろありがとうと言いたい。
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chiaki0708(プロフ) - わぁーーーーぁーーーすっっっっごく良きな作品でした!!!夏油さん推しの方是非!!読んで欲しい!!!! (2022年1月17日 8時) (レス) @page50 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» コメントありがとうございます!完走までお付き合いいただき、本当にありがとうございました…!すみません、気がつきませんでした。急遽修正いたします。ご報告ありがとうございました…!! (2021年3月10日 20時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
古高 カスイ - 完結おめでとうございます!!お疲れ様です。あとがきの1行目が、めまして、になってます。新作も読ませていただきます。 (2021年3月10日 20時) (レス) id: 4f2d26b0e9 (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 古高 カスイさん» コメントありがとうございます!コメントをいただけると執筆が捗ります☆そうですね、神様は優しくて優しくないって誰かが言ってたような…。展開は遅めですが、これからも更新頑張ります! (2021年3月6日 7時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
古高 カスイ - バレンタインの神様って、優しいのか、意地悪なのか、わからないですね(笑) わーい!!やっと二人がキスした!!嬉しい!読んでて楽しいです!更新頑張ってください。 (2021年3月5日 23時) (レス) id: 4f2d26b0e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白揚羽 | 作成日時:2021年2月25日 15時