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seventh side硝子 ページ35

せっかくの休日だったので
街をぶらぶらと歩き、
やがて私はふらりと
通り沿いの小さなカフェに入る。


茶色のエプロンを着けた
若い男性の店員さんに
連れて行かれた席に腰掛けると
見覚えのないピンク色の手提げが目に入った。

誰かの忘れ物だろうか。

それを手に取って中を覗く。
中には一冊の絵本が丁寧に仕舞われていた。
“白雪姫”子供の忘れ物なんだろう。


『(…狩人)』


絵本の1ページに描かれた
その挿絵を指でなぞる。






昔の記憶がフラッシュバックする。








…白雪姫の狩人はヒーローにはなれない。

ヒロインにもなれない。

でも、きっとそれで良かった。

狩人は主人公になる器じゃなかった。

それに、脇役(モブ)であるが故の特権もあった。

全てを救うヒーローでも、
悲劇の果てに幸せを掴むヒロインでもない。

だけど、狩人(私達)はそんな主人公達の
最期を手にする権利がある。

人々から憧れられる
主人公達の唯一の最期を手にする、
そんな栄誉は狩人(私達)以外の
何者の手にも入らない。

それはきっと、とても幸せなことなの。





そう言ってあの従姉妹は笑っていた。




姉妹のように育ってきた、A。

あの子が脇役(モブ)として生きるのを望むのならば、
私はそれに力を貸そうと思った。

呪術師として生きる以上、
死とは切っても切れぬ縁で結ばれている。

だからせめて、Aが困らないように、
後悔しないように、手を貸そうとー、




「…硝子」



「うわ、悟じゃん。なんでバレた?」



目の前に立つのは
全身に怒りを露わにさせる
元同級生ー、悟だった。

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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , 家入硝子   
作品ジャンル:ラブコメ
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白揚羽(プロフ) - きゃーぽんさん» 最期までお付き合いいただけて感謝感激です!ギャグも少し心配だったのですが、そう言って貰えるととても安心します…(笑)改めまして、本当にありがとうございました! (2021年2月17日 18時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - もんて、さん» 反応が遅れてしまいすみません…!最期までお付き合いいただきありがとうございました!そうやって褒めていただけるととても嬉しいです…!改めて、ありがとうございました♪ (2021年2月17日 18時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 完結おめでとうございます!とっても面白かったです!お疲れ様でした (2021年2月17日 1時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
もんて、(プロフ) - 完結おめでとうございます!!臨場感あふれる情景描写や、センスあるギャグが面白くて一気に読んでしまいました!とても面白かったです!お疲れ様でした! (2021年2月5日 0時) (レス) id: 8402b0d99c (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - れんさん» コメントありがとうございます!これからラストスパートとなっていくので…ね?(笑)更新頑張ります! (2021年1月25日 21時) (レス) id: 400d2ea662 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白揚羽 | 作成日時:2021年1月14日 19時

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