苦難 ページ5
＊
それは、穏やかな日々だった。
穏やかすぎる日々だった。
涙が出そうなほどに優しくて、あれほど渇望していた平穏。
けれど不意に、私はここに居て良いのだろうか、と強く思うときがある。
ココの隣に居るのは私ではなく赤音さんのはずで、その死亡原因には私が深く関わっている。
私が赤音さんを殺したようなものだった。
私が、ココの愛しい人を奪ったのだ。
ココの変わってしまった姿を目にする度に、私は生きていても良いのだろうか、という迷いが胸の奥で疼く。死んで償えるとは思わない。私が死ねば、まだ私の身体の中で律動し、眠り続けるこの心臓さえ止まってしまうのだから。私が死ねば、また私が赤音さんを殺すことになる。
｢そういえば、この間Aが話してた駅前のクレープ屋、青宗が美味しかったって。｣
『え、青宗が食べに行ったの！？』
こうして、大きな病気もなく、死に怯えることもなく生きているというのは、これ以上もない幸せだった。それでも、いつもどこかで息がつっかえるように苦しかった。
｢…どうかした？｣
『ううん、なんでもない。』
まるで、喉元に何か引っかかってるみたいだ。
ーーこうして私はつっかかったものを吐き出せないまま、平穏な中学時代を過ごした。
その後、やはりこの罪悪感に似たものが拭えず、幼なじみ達と顔を合わせることも気まずくて、私は私立の女子校に進学した。
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蒼(プロフ) - 胸がキューって苦しくなりました‼︎続編楽しみにしてます！！ (2022年3月14日 21時) (
レス) @page14 id: 3e56271e58 (このIDを非表示/違反報告)
雅(プロフ) - 最っっ高でした！！どうか続編をどうか続編をお願いしますッ！！ (2022年1月13日 15時) (レス) @page14 id: cc47927cf9 (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - ぴよさん» コメントありがとうございます！！！ただいま執筆中ですので是非…🥰🥰 (2021年12月25日 19時) (レス) id: 54b5eea483 (このIDを非表示/違反報告)
ぴよ(プロフ) - 続編めちゃくちゃみたいですー！！！！ぜひよろしくお願いします٩( 'ω' )و (2021年12月23日 3時) (レス) @page14 id: 5a0c9ff92a (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - 白さん» コメントありがとうございます…！！！そう言って貰えると本当に嬉しいです…。続編の方も少しずつ進めていけたらと思っています！！ありがとうございました。 (2021年12月21日 20時) (レス) id: 54b5eea483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白揚羽 | 作成日時：2021年12月20日 21時
