44話 ページ45
「僕の見立てによると、」
しんと静まりかえった我が家で
お姉ちゃんを始めとした
憂太くん、悟くん、棘くん、
パンダくん、真希…ちゃん?が集まっている。
そこで悟くんはそう切り出した。
「恐らく術式が変化した」
「と言うと?」
「…ある人物との記憶を思い出す代わりに、現在残ってる記憶を消すという条件が追加されてるんだと思う。」
『…傑くんのこと?』
「そうなるね」
よく分かんないな。
「目的は…ああ、Aを孤立させたいのか」
「戦力を削ぎたかったんじゃない?」
お姉ちゃんの自問自答に
悟くんが茶化したように答える。
そのどちらもなんだか
ピリピリしているように聞こえた。
「これだとAに傑と何があったのか聞き出せないよね」
『…傑くん、玄関に来てたよ。昔はもっと来てた』
あれ、昔っていつだっけ。
『呪力の使い方を教えてくれたの。体術も教えてくれて、憂太くん…ううん、
いろいろ、教えてくれた。
いろいろ、話を聞いてくれた。
『わたし、私、』
「A、一旦落ち着け、な?」
「明太子!」
2人を余所に思考はぐるぐる巡る。
『私、どこまで憶えてる?みんなの他に同級生がいたんじゃないの?補助監督さんは?非呪術師の友達は?会話は?思い出は?約束は?』
真希ちゃんは、家に居た。
家に上がってこられるくらい、
仲のいい人って事だ。
名前に聞き覚えがあるかも知れない、
けれど真希ちゃんとの思い出はない。
これ以上、忘れちゃいけないはずだ。
忘れてたまるか。
傑くんに奪われて、たまるか。
私の記憶は、私の物なのにっ…!
「なんで真希だったんだと思う?」
「…過ごした年数、かな。ランダムな感じもするけどね」
悟くんが誰だかは分かる。
悟くんとの思い出は、ある。
でも、術式をかけられる以前の
思い出は、ない。
なんとなく、棘くんとパンダくんの
記憶もあやふやな気がする。
声と顔は分かるけど、
その好みや行動は答えられそうにない。
でも、憂太くんは分かる。
それも、はっきりとはしないけど。
「もう、のんびりしてられないっぽいね」
みんなが立ち上がる。
私は1人、しゃがんでる。
高低差が出たからか、酷く恐怖感を憶えた。
知らない人達。
よく憶えてない人達。
そんなはずが無いのに、
そんな風に思えて仕方がなかった。
938人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イリアン - そうでしたかっ!!なんか問い詰めるかのような形で質問してしまい、申し訳ありません。作品はとても面白かったです!答えてくださりありがとうございます!! (2022年1月13日 19時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - イリアンさん» いえ、ほとんどは自分で考えたネタです。ですが作品を作るに当たって友人達からいくつかネタをいただいたので、もしかしたら別作品と被ってしまっている可能性があるかもしれません…。アバウトな回答ですみません🙇🙇 (2022年1月12日 18時) (レス) id: 54b5eea483 (このIDを非表示/違反報告)
イリアン - 失礼します。もしかしてなんですけど、作品の中のギャグってある漫画が元ネタになっていますか? (2022年1月12日 17時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぷりん(プロフ) - ゴンザレス山田...ww 一発目からお腹痛いですww (2022年1月12日 10時) (レス) @page1 id: 7ac428c852 (このIDを非表示/違反報告)
夜空みぃ - 笑いすぎてお腹痛くなりました…wwあのあいうえお表の【しゃけ】のくだりが個人的に好きです(●´ω`●) (2022年1月6日 2時) (レス) @page20 id: 1063b54bda (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:白揚羽 | 作成日時:2021年3月8日 12時