４３話 ページ44
｢…なるほど、色々と聞きてぇ事はあるけどとりあえずこのダツ…じゃないわ、悟を引っこ抜くぞ｣
五条ダツ悟。
すごーく不名誉だけど、正にそんな感じ。
｢優しくしてね…｣
｢おっえ…｣
真希ちゃんの反応に
悟くんの表情が割と真剣なものへと変わる。
｢いや、たぶんこれ抜き方間違えると僕の全身に刺さる｣
｢おい憂太、動くなよ、怪我するから｣
｢僕の話を聞いて！！｣
なんとか引っこ抜かれた悟くんを余所に、
真希ちゃんが砕けたガラスの掃除をはじめる。
危ないから近寄るな、と言われて
悟くんと一緒に離れたところにたった。
｢なんであんなスピードだったわけ？｣
『投げられた』
｢は？誰に？｣
その質問に一瞬だけ困る。
言って良いのかな。
凄く、凄く迷ったけど、
でもあの人は悟くんのお友達だから
教えてあげた方がいいのかなって。
ゆっくりと、口を開いた。
『…■くん』
｢は、｣
『迷子の、傑くん』
もう、１０年くらい前に、
お姉ちゃんが｢迷子｣って言っていた人。
あれ、１０年前のことなんて、
分からないはずなのに。変なの。
ーーそうだよ、知らない筈なんだよ
ノイズのかかった変な声、
誰かの声で、機械のような声が、
脳内をくるくると回りながら響く。
ーー知らないはずだから、その埋め合わせをしなきゃ
『あ、』
｢おい、A？｣
頭が、痛い。
頭をかき混ぜられているような不快感、
夢の中のようなふわふわとした浮遊感。
様々な感覚が
一気に押し寄せてくる。
どうしよう、息が出来ない。
体に力が入らなくて崩れ落ちる。
｢おい、A！？｣
｢Aちゃん！？｣
｢Aっ！！｣
誰かが、私を、呼んでいる。
悟くんと、憂太くんと…
あれ、この女の人の声は、誰だったっけ。
聞いたことあるような声。
ーー記憶の埋め合わせ分は、私が貰っていくよ
駄目だよ、だってそれ私のだもん。
私の声が届くわけもない。
ーーすまない、でもそういう術式だから
『だめだってば！！』
大きな声で叫ぶ。
そ不快感がまるで風船みたいに
一気に抜けていく。
｢A、大丈夫か？｣
見上げると、女の人が居た。
緑の髪の、ポニーテールの、知らない人。
『…だれ？』
｢は？ぜ、禪院真希だよ｣
聞いたことない響き。
『…はじめまして！』
どうしてか、その女の人の顔が
真っ青に染まった。
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イリアン - そうでしたかっ!!なんか問い詰めるかのような形で質問してしまい、申し訳ありません。作品はとても面白かったです!答えてくださりありがとうございます!! (2022年1月13日 19時) (
レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
白揚羽(プロフ) - イリアンさん» いえ、ほとんどは自分で考えたネタです。ですが作品を作るに当たって友人達からいくつかネタをいただいたので、もしかしたら別作品と被ってしまっている可能性があるかもしれません…。アバウトな回答ですみません🙇🙇 (2022年1月12日 18時) (レス) id: 54b5eea483 (このIDを非表示/違反報告)
イリアン - 失礼します。もしかしてなんですけど、作品の中のギャグってある漫画が元ネタになっていますか? (2022年1月12日 17時) (レス) id: 5653d48aec (このIDを非表示/違反報告)
ちょこぷりん(プロフ) - ゴンザレス山田...ww 一発目からお腹痛いですww (2022年1月12日 10時) (レス) @page1 id: 7ac428c852 (このIDを非表示/違反報告)
夜空みぃ - 笑いすぎてお腹痛くなりました…wwあのあいうえお表の【しゃけ】のくだりが個人的に好きです(●´ω｀●) (2022年1月6日 2時) (レス) @page20 id: 1063b54bda (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白揚羽 | 作成日時：2021年3月8日 12時
