【呪術廻戦】家入ちゃんの怠惰な日常【乙骨憂太】

１４話 ページ15

『やばーい』



天気予報では晴れだって言ってたから
傘持ってこなかったのに
ザンザン降りになってて、
正直世界を滅ぼしたい気分の私。

折りたたみ傘って大事だね。



でもどうしようかな。

傘を持たずに神社まで遊びに来ちゃったし、
家から神社まではそれなりに距離があるし…
走って帰るにもあれだけど、
このまま雨宿りして待ってても
いつになったら晴れることやら。






ごろごろ…と空が鳴る。






困ったなぁ…早く帰りたいんだけど。



『(…なんか前もこんなことがあった気がする)』



学習能力がないんじゃないの。
幼女だから仕方ないのよ。



そうこうしているうちに
だんだん暗くなっていく。


早く帰らなきゃ…
濡れなきゃ駄目なのかな…
でも今日は家にお姉ちゃんいないし…。


そうして空を見上げていると
バシャバシャと音を立てて
誰かが走ってくるのが見えた。



｢あ、あれ、Aちゃん？｣


『憂太くん！』


｢どうしたの？雨宿り？｣


『…傘忘れちゃったのー』



憂太くんが神社の屋根の下に入ってくる。

憂太くんも傘は持ってないみたい。



『もうちょっと待たないと帰れないかなー』



たぶんこのまま家に帰ったら
絞れるくらいには濡れると思うんだよね。

で、次の日風邪ひくコース。



｢うーん…ああ、そうだ。｣



ちょっと我慢してね、なんて
憂太くんは言って、自分の白い制服を脱ぐ。
そうして脱いだ制服で私をくるくる包んだ。

布越しのちょっと潜った声が聞こえる。



｢ごめんね、ちょっと我慢しててね｣



ちょっとだけ、浮遊感。

抱き上げられたんだと思う。


憂太くんの体温が
じんわりと温かくてなんだか安心する。



私は憂太くんの制服に包まれて、
憂太くんは私を抱き上げて
家路を走って帰った。

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