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そんな事が、あって今に至る。
勿論、他の策もいくつか考えていたが、どれもこれもリスクとしては、かなり大きなものだった。
最善の結果が、これというわけだ。
1番の厄介事と言えばスケンダーくらいだろう。
当の本人は、優雅に葉巻から煙を吹かせ、団員を扱き使うばかりだ。
｢それにしても、あんたが居てくれりゃ魔法道具の扱いも困ったもん無しだな。目一杯働いてもらうからな。お前もだ。｣
クリーデンスは、少し怯えるようにAの後ろに1歩引いた。
スケンダーは、どこか満足気に威張った態度で今度は、屋敷しもべ妖精に指示を出し始めた。
『何か有益な情報を手に入れたら開放されるはず…。それまでの辛抱よ。』
Aが、ため息混じりに呟いていると虫が羽根をばたつかせて飛ぶ音が頭上で聞こえてきた。
クリーデンスも気づいたらしく上を見るとビリーウィグのような何かが飛んでいた。
それは次第にAの手のひらに落ち、彼女が、それの頭のような所を撫で付けると半透明な羽は静かに垂れた。
頭の部分を開けると中から1枚のメモが出てきた。
Aさま。
どうやらクリーデンスさまとの関係を探っておられる様子でした。
こちらの心配はご無用です。
どうかお気をつけて。
ps.クリーデンスさま。また何時でもいらしてくださいませ。
ボニーより
彼女が手紙を読み終えると機械仕掛けのビリーウィグは、一瞬にして空高く飛んで行った。
『あれも一応私の発明品よ。ものすごい速さで飛ぶから追跡不可能なの。…それにしても不味いことになったわ。
魔法省が、あなたを探してる。』
｢もし、見つかったらどうなるの。…Aと一緒にいられなくなるの？｣
自分の安否よりも、一緒に居られないか心配をするクリーデンスにAは、小さな子供の様だと可愛らしく思った。
『大丈夫。私が、貴方を魔法省になんかそう易々と渡すものですか。』
彼女の答えにクリーデンスは、満足したように口元だけほんの少し口角を上げた。
船の汽笛が、旅の始まりを告げるように鳴り響く。
Aとクリーデンスは、スケンダーが主催する摩訶不思議サーカス団と共に次の開催地パリへと海を渡った。
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狭山(プロフ) - ボンクラMONKEYさん» コメントありがとうございます！とっても嬉しいです。何とか最後まで更新頑張ります！ (2023年2月8日 19時) (
レス) id: 374a4dca68 (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY(プロフ) - 前作とても面白かったです。今作も とても楽しみです。応援してます。 (2023年1月25日 21時) (レス) @page1 id: 402691cbe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：狭山 | 作成日時：2022年10月10日 4時
