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クリーデンスは、全く前進しない親探しに途方に暮れた気持ちになった。

Aは、そんなクリーデンスを元気づけるようにさっきよりも少し暖かくなった彼の手を握った。


『大丈夫。私も探すのを手伝うわ。もう貴方は、ひとりじゃない。私もボニーもついてるわ。』


クリーデンスは、その言葉で今までの人生は、Aに出会うためだったのでは無いかと錯覚するほど湧き上がっていた。


「お部屋の掃除が済みましたので、どうぞお使いください。」


クリーデンスは、例を言いながら部屋を見回した。


『ごめんね。いいもの用意してあげられなくて。その部屋は自由に使ってもらって構わないわ。今日はもう疲れたでしょう。ゆっくりおやすみ。』


クリーデンスは、おやすみなさいと返すと満足気にAは、自室に戻って行った。


その夜、クリーデンスは、味わったことの無い暖かな気持ちが体の奥深くに根を広げるのがわかった。

しかし反対にこれは、夢なのではないか。

明日になったら何もかも消えていてまた自分は、独りで生きていかなくてはならないのではないかと急に不安になった。

クリーデンスは、余計に眠れなくなりそうで布団に包まりながらぎゅっと目を瞑った。

どうかこの夢が明日も続きますようにと。






それから、クリーデンスが来て数日経った。

しかし彼の家族の情報は、なかなか見つからなかった。


「やっぱり名前だけじゃ厳しいわね。もっと行動範囲を広げないと。」

「ですが、それは危険なのでは?少なくとも彼の居場所が、魔法省にしれ渡れば…。」

ボニーは、自室にいるであろうクリーデンスの部屋をちらりと横目で見ながら話した。


−ドンドン

急なドスの効いたノック音にA達は、先程の話もあり、彼の居場所がバレたのではと警戒心を強めた。

ボニーが、恐る恐るゴーグルを除くと肩を落として振り返った。

どうやら、魔法省では無いみたいだが、期待した客でもないみたいだ。

「スケンダーさまです。恐らく魔法道具の依頼でしょうが…。」


Aは、暫く考えると部屋から出てきたクリーデンスをら見つめて何やら考え始めた。


『クリーデンス。彼に頼めば、各国を渡り歩きながらより安全に情報収集が出来る。…でも、決して良い待遇は得られない。それでも今すぐ家族を探したい?』


クリーデンスは、力強い目で口を固く結び意を決して頷いた。

その瞳の奥にみえるのは、希望か、それとも執着か。

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狭山(プロフ) - ボンクラMONKEYさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです。何とか最後まで更新頑張ります! (2023年2月8日 19時) (レス) id: 374a4dca68 (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY(プロフ) - 前作とても面白かったです。今作も とても楽しみです。応援してます。 (2023年1月25日 21時) (レス) @page1 id: 402691cbe4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:狭山 | 作成日時:2022年10月10日 4時

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