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するとボニーが、暖かい紅茶と共に少し小言を挟んだ。
「そうですとも。Aさまは、お優しい方です。何かあれば頼って良いのですよ。」
クリーデンスは、凝視しないと分からない程、小さく口角を上げた。
その様子を見てAもつられて微笑んだ。
「ささ!まずは夕飯にしましょう!クリーデンス様もご一緒に。」
クリーデンスは、夕飯まで共にするなんて図々しいのではと考え込んでいると、Aが、気持ちを察したのか遠慮しなくていいと声を掛けてきた。
結局、Aの説得によりクリーデンスは、2人と共に食事をすることになった。
食事の間も、色々な話で盛り上がり3人は、少しずつ打解けていった。
クリーデンスは、今まで1度も味わったことのない暖かな空気に胸がいっぱいになった。
「ところでクリーデンス様。その人物を探すと言っても手掛かりは、あるのですか?それに今夜はどちらに宿泊される予定ですか?宜しければお送り致しますが。」
クリーデンスは、その言葉でハッとした。
なにせ思い付きで出てきたため今夜泊まる宿などは何も無いのだ。
「その、思い付きで来ちゃって…。でも僕帰ります。」
クリーデンスは、帰る支度をするとAが、それを引き止めるように提案してきた。
『なら手掛かりが見つかる間、家にいればいいわ。狭い家だけど、何とかなると思うし。』
「そ、そんな!僕は、どこか寝れるような場所を見つけますから…。」
『いいのよ。それに…今度は、ちゃんと力になりたいの。私の我儘だと思って。ね?』
Aの表情は、どこか自責の念に駆られた顔をしながら眉を下げて微笑んだ。
クリーデンスは、彼女の言葉に押され小さくお願いしますと頷いた。
「では、さっそくクリーデンス様のお部屋をご用意致します!」
そう言ってボニーは、Aの部屋を拡大呪文で広くし、眠っていた客人用の部屋を作り出した。
「随分と長い間使っていませんでしたから埃っぽいですね。少し掃除をしますから、その間リビングでお寛ぎください。」
Aは、ボニーに例を言うとクリーデンスをリビングに連れていった。
それから、Aとクリーデンスは、探している人物について話し合った。
『家族ね…。そのアーマドゥガードという人は、私も聞いた事がないわ。私自身、限られた魔法族としか関わりを持ってないから。』
しかし、彼女は、世間的に若き発明家として魔法界の間でそこそこ有名であるのだ。
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狭山(プロフ) - ボンクラMONKEYさん» コメントありがとうございます!とっても嬉しいです。何とか最後まで更新頑張ります! (2023年2月8日 19時) (レス) id: 374a4dca68 (このIDを非表示/違反報告)
ボンクラMONKEY(プロフ) - 前作とても面白かったです。今作も とても楽しみです。応援してます。 (2023年1月25日 21時) (レス) @page1 id: 402691cbe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:狭山 | 作成日時:2022年10月10日 4時