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「スタァーートォ!!「先輩を敬え!!!!」」
「うるさいわね、、、。」
戦闘音ではなく、悟の声で意識的に意識を落としていた私は目を覚ました。暫くしてあちこちで武器が掠れるような金属音と地鳴りがする。
ただでさえ眠ることが出来ないのに、これでは騒音被害だ。さらさらお昼寝なんてさせる気がなかった彼に苛立ちが込み上げる。
「彼のお願い通り、悠仁の様子でも見に行ってあげようかしら。」
そう言って一番派手な音が響く方へ私は歩いて行く。悠仁は私と悟が徹底的に鍛えたのでそうそう殺されることはないだろう。
それに先日の一件で落ち込んでいた悠仁を励ますのは私の仕事ではなかったので、他の物に任せたが恐らく精神的にも成長しているはずだ。
悠仁のと所へ行くと、多少怪我はしているようだが、戦っている相手が上手く悠仁の才能を伸ばして行きそうな感覚がしたので手は出さずに見守る。
気配を殺して観察しているので二人が私に気づくことはない。暫く二人の戦いを眺め、そしてだんだんと濃くなってくる四方八方の気配に私は笑みを深めた。
来ると思っていた。
人間を戒める法律も監視者もひどく曖昧なこの環境は戦力差さえあれば人一人殺すにもってこいなことだと言うことを。
銃声が響く。水色の髪の生徒が術を使って攻撃するが、悠仁は人間にしては驚異の反射神経でそれを回避した。
「、、、、ふふ。」
言うまでもなく実力が格段に伸びている。元々の才能に化粧をしたような不安定な状態が少しずつ定着を見せてきている。
次々と出てくる攻撃に悠仁は驚いている様子だ。そして自分が命を狙われていることも今やっと理解したように焦りを見せている。
その時だった。
パンっ!!と悠仁の相手が手を叩いた瞬間、お互いの位置がすり替わる。へぇ、と私は面白そうに微笑んだ。
「おい、言ったよな、邪魔をすれば殺すと。」
「違うな、お前は指図すれば殺すと言った。」
どうやら京都校の間では生徒間でも対立しているようだ。ここで相手意外との戦闘が始まってしまえば、成長が阻害されてしまう。
一旦引かせるために私は気配を消したまま、その塊に近づいて行った。
「同じことだ。帰れ。」
「そうねぇ、一旦引いてくれるかしら。」
「「「「「「!!!!!!」」」」」」
さっきまでとは比べ物にならない程の緊張感が走った空間に私はにっこりと微笑んだまま口元を歪ませた。
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Reina(プロフ) - ゆきさん» ありがとうございます!私生活の方が忙しくて中々時間が取れなかったのですが、そう言っていただけるととても嬉しいです。頑張ります! (2021年10月24日 19時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 更新お久しぶりです!もう更新しないのかなぁと少し不安になってましたがありがとうございます!ほんとにこの小説面白くて大好きです!無理だけはせずにこれからも頑張って下さい! (2021年10月24日 3時) (レス) @page26 id: 9bb0d4787d (このIDを非表示/違反報告)
金糸雀 - いつも楽しく拝見させていただいております。更新を楽しみにしてお待ちしております!頑張ってください! (2021年7月18日 17時) (レス) id: e5f7c718e0 (このIDを非表示/違反報告)
Reina(プロフ) - れんさん» ありがとうございます (2021年5月25日 16時) (レス) id: b4ccc6a785 (このIDを非表示/違反報告)
れん(プロフ) - ご対応頂きありがとうございます!これからも更新楽しみにしております。季節の変わり目ですのでお身体にはご自愛くださいませ。 (2021年5月25日 1時) (レス) id: cf8acd5d9f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Reina | 作成日時:2021年2月11日 2時