本、返してください。【名前変換オリジナル】

第２節 ページ23

「おはよう！」

　元気よく教室に入ると、仲良さげに話す、志穂と浩介が目に入る。

　「おー、お二人とも仲がよろしいようで。邪魔者は家にでも帰りますか」

二人の会話を遮って、大声で言う。

　ああ、また、ダメなことした。

　嫌だなぁ、嫌だなぁ……。

　でも、二人は、そんな私の言動に悪意があるなんて微塵も考えない良い人達なので。

「遥香、そう言いつつ、学校サボりたいだけじゃないの？」

なーんて返してくれちゃってさ。

「ッハハ！バレた？」

みたいに、お調子者のような返しをして。

　二人だけの空間に穴をこじ開けて、三人の世界に変えるんだ。


　私は浩介が好きで、浩介は絶対、志穂には渡さない。

　でも、志穂が嫌いな訳じゃない。むしろ、大好きだよ。……あ、もちろん、親友として。

　志穂が浩介を好きにならない内は、ひたすら、妨害に走る。

　志穂が浩介を好きになったら？

　その時はその時、かな。

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