第1節 ページ3
確か、その日は雨の日で、昼休みが始まれば、小学生みたいにいの一番に運動場に駆け出していく連中も、その日は教室にいた。
私は、いつになく教室が騒がしいのが嫌で、図書室に行こうとした。
その時に、氷室に声を掛けられたんだ。
「早川ってさ、いつも面白そうな本読んでるよな。この前は高山漆の『傲慢の諧謔曲』だろ?」
私は、急に声を掛けられて、とにかく、驚いた。
普段はあまり話さない間柄というのもあったけど、何より驚いたのは、氷室が私の読んでいる本を知っていたこと。
「じゃあ、この本、貸そうか?」
そう言うと、氷室は子供みたいに、パッと顔を輝かせた。
「本当?いいの?」
「うん。次の冬休みまでに返してくれればいいから」
貸したのは幕末志士に関する本で、確か、題名は『江戸時代末期に生きた英雄達とその最期』。
その本は、勿論のことだけど、その日以来、全く見ていない。
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マサイ推し - 更新お待ちしてます。 (2020年7月26日 21時) (レス) id: 771a4df003 (このIDを非表示/違反報告)
雪見(プロフ) - とても面白いです!!更新頑張ってください!!! (2018年11月16日 22時) (レス) id: 27975a6d3f (このIDを非表示/違反報告)
水瀬(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください!! (2018年10月21日 16時) (レス) id: db4b643399 (このIDを非表示/違反報告)
黒蜜がけ抹茶わらび餅(プロフ) - まぃりぃさん» ありがとうございます!最近、ちょっと用事が多くてですね……更新が遅れてしまいますが、明日からはちゃんと更新しますよー! (2018年8月10日 6時) (レス) id: 1a91fe4b3b (このIDを非表示/違反報告)
まぃりぃ - とても面白いです!続きが楽しみです。更新頑張ってください♪ (2018年8月9日 23時) (レス) id: 6b8bf83b3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒蜜がけ抹茶わらび餅 x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2018年7月16日 12時