本、返してください。【名前変換オリジナル】

第１節 ページ15

さっきから、俺はスマホの画面ばかりを見ている。

浩介あのさ、今度の日曜日、部活の予定空いたから、家に本探しに来てくれない?

　勇気を振り絞って送った１文。一向に既読はつかない。

　「浩介！スマホばっかり見てないで、掃除でもしなさい！」

義母(母さん)が怒鳴った。

　「分かりました。今すぐやります」

大人しくこう言っておけば、特にキツくは怒られない。

　「えー、じゃあ、浩介、愛梨の部屋掃除してよ。あっ、部屋の物には触んないでよ」

義姉の愛梨が言う。

　いやいや、そんな無茶ぶりはよしてくれよ。俺はお前らの家政婦か！と言いたいのを堪えつつ、素直に従う。

　歯向かって良いことあった覚えはないしな。


　俺は父親しか居ない。母親は既に交通事故で亡くなっているらしい。まあ、俺は覚えてないぐらい昔のことなんだが。

　で、父親の再婚相手とその連れ子が、今の義母と義姉。

　俺は義母と義姉に馬車馬の如くこき使われ、掃除・洗濯は俺の仕事！(料理は俺の壊滅的な腕に免じて父の仕事だが)

　シンデレラかよ、俺は。

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