1〈魔女雨の誕生〉 ページ11
ーーー『Love/恋』
満月に照らされ、蕭々と降る粉雪と共に降り立った彼を見た時から、既に芽生えていた。
悪魔のような、私の天使様。そうとしか認めない。だって、彼は『悪魔』とは呼べないほど優しいから。Bellaに下したあの罰も、すべて更正のきっかけを与えるためだったから。
だから“あれ”も、全部私の為に下してくださった罰なんだ。
そう、信じなければいけないんだ。
「ディール!」
ブラック様がそう言った途端、私の体は光に包まれた。ふわりと、髪が浮かび上がるような風が纏わりついてくるが、不思議と冬のような冷たさはなく、むしろ春のように暖かかった。
そんな光の風も、間を置かずはらはらと、地面に落ちていくように消えていった。ふと自分の服装を見てみて、驚いた。先程まで青一色の無地のワンピースが、真っ白なワイシャツと長めの黒いスカートに変わり、頭にはいかにも魔女らしい三角帽が乗っていたのだった。
「You became a wutch」
魔女という言葉に、心が高ぶった。はち切れそうなほどに、手遅れなくらい速い鼓動が、全身を侵食する。
だが、これが、心地良い。これでいい。
-第一章:終幕-
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作者名:U-ray | 作者ホームページ:http://Kegaretakoinitumonakiaiwo0
作成日時:2024年3月25日 23時