Episode.2-海軍基地- ページ8
シャチ「お！島が見えてきたぜ！」
前方には、先ほどまで見えなかった島が見えてきた。
けれど、思ってた島と随分違う。
珍獣だらけなんていうから、てっきりジャングルみたいな島かと思っていたけれど、普通に街もありそうじゃない。
『ローさん』
揺すったり叩いたりしても、いっこうに起きる様子はないローさん。
ベポ「船長は寝起きがあまり良くないんだよ。」
シャチ「船長、一回寝たらなかなか起きないっすから。無理矢理に起こすとバラされんだよなー」
起こすとバラされるなんて聞いてない。
起こすという約束をしてしまった＝起こすことに成功しても失敗してもバラされること確定らしい。
＿＿＿＿理不尽すぎる。
『あっ…じゃあ、私、街見てくるから！ローさん起こすの任せた！下っぱ達！』
ペンギン「え！？あ、ちょっ！！てか、下っぱじゃねーよ！」
と、こんな感じで街に飛び出してきてしまったけれど、本当にここは珍獣が住む島なんだろうか。
街の真ん中に海軍基地っぽいのがある気がするんだけど…。
こんなところに珍獣がいるとも思えない。
誰かに聞けると良いんだけど…。
『あっ、すみません。』
考え事をしながら歩いていると誰かにぶつかってしまった。
ヘルメッポ「痛ぇな、女！俺にぶつかるなんてよ！しかも、コーヒー溢しちまったじゃないかよぉ。親父に言いつけてやる！」
金髪のキノコ頭をした男は、額に青筋を浮かせて怒っている。
けれど、ここで会ったのも何かの縁。
ちょうどいい。この人に聞こう。
『あの、一つ聞きたいんですけど、ここって珍獣島じゃないんですか？』
ヘルメッポ「珍獣島ぁ！？そんなわけねーだろ、馬鹿か？お前。」
やはり珍獣島ではないようだ。
こんなに繁盛した街がある島に珍獣がいるわけない。
ヘルメッポ「おい、お前。」
『なんですか？』
ヘルメッポ「見ねー顔だが、お前誰だ？」
『私ですか？私はA。海賊ですよ。』
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作者名：本郷葵 | 作成日時：2019年9月15日 1時
