味見� �ﾘｳﾞｧｲside〉 ページ21
昨夜、俺はユズアの傍に居ることを赦された――…
…――あの日、見張りをしていただけだと答えると、ユズアは「よかった」と一言囁き、俺にしがみついてきた。
その仕草が可愛くて、そのまま貪りたい衝動に駆られたが、怖い思いをしたばかりのユズアに、それと同じ行為をすることは出来ねぇ…と、曖昧になりかけた理性の輪郭を慌ててはっきりさせる。
コイツの気持ちの整理がつくまではダメだ…。
ユズアを手放す覚悟をしていたが、コイツは、俺の答えがどっちでも気持ちは変わらなかったと話していた。
どうしても、俺の傍にいたいと――…
その答えに辿り着くまでには、相当な葛藤と辛さがあったと思うが…。
……―――――。
今朝、目覚めるとユズアが身体にしがみついていた。
か…可愛すぎて、やべぇ…。
うっかり何かしでかして、コイツを傷付ける前に俺は飛び起きた。
そしてユズアを叩き起こした。
本当は優しく甘く囁いて起こしてやりてぇが、それだと俺の理性がもたねぇ。
何故か分からねぇが、地下街から助け出した後から、ユズアを
どうしたらいいんだ…っ！
ヘタに手を出せねぇ…っ！
この状況――…
記憶後退した８歳の時と変わらねぇじゃねぇか！！
チッ…
色々したい衝動を抑えながらユズアを抱き上げたまま執務室へ入ると、ニタニタと声もなく笑うハンジがいた。
巨人の調査に行くと言っていたから油断した。
余計なネタを与えちまったな…クソッ！
だが。
その後のハンジの言葉に、なるほど…と納得した。
「可愛さの上に色気が増した」と…――。
それだ。
今、俺を悩ませているのは。
仕事を手伝わせようと呼びつけておいたレオンとソルムをハンジに譲り、邪魔者はいなくなった。
すると、あの髪を束ねる仕草をするユズアに目を奪われる。
なんだ、その滑らかでしなやかな動きは…――っ
そういや、仕事中にお前を一度でも見たらダメだったな…。
気がづけば、細やかにゴムに髪の毛を通していく指の先まで、じっくり見つめていた。
目が、離せねぇ…。
俺の重すぎる視線に気づいたユズアと目が合ったが、何かに囚われたように動けなくなった。
その間に、じわじわと頬を赤らめるユズアは堪えきれなくなったのか、
『…あの、兵長…？どうかしましたか…？』
チラッと目線を俺に向け、酷く照れながら言葉を投げ掛けてきた。
それによって、俺の固まっていた身体と思考が動き出す。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 115人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢梨(プロフ) - 柚杏さん» 柚杏様。ご質問に質問で返して申し訳ないのですが、夢主の名字は既に作中で何度か出て来ております。これからのお話の中で、フルネームを名乗るのか…？と言うことでしょうか？ (2018年3月18日 3時) (
レス) id: b5e7379311 (このIDを非表示/違反報告)
柚杏(プロフ) - 夢梨さん» 夢主ちゃんの名字的なものってこれから出ますか？ (2018年3月18日 2時) (レス) id: 1c1d4e63b6 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - エリカ・アッカーマンさん» エリカ・アッカーマン様。お話を全て読んでいただきありがとうございます！真綿とこの話の兵長とは少しだけ性格を変えている事に気づいてもらえて感無量です(///∇///)どちらも隙を見て(笑)話を進めたいと思いますので、ドキドキしてもらえたら嬉しいです(*´ω｀*) (2018年2月21日 7時) (レス) id: b5e7379311 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ・アッカーマン(プロフ) - 夢梨さんの小説全部読ませてもらってます！ほんっとに面白いです！更新大変だと思いますが、楽しみにしています！！この作品の兵長も、真綿の兵長も好きです！リヴァイ推しですがハンジさん、エレンも好きで、夢梨さんと似てて小説読みながらウハウハしてます！ (2018年2月21日 1時) (レス) id: 662e10d996 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢梨 | 作成日時：2018年1月17日 13時
