どうしても… ページ12
レオンとソルムに気付かれないように部屋を出てきたのはいいけど…。
私、兵長がどの部屋で仕事してるのか知らない…。
そのことを、上官がいそうな上の階に来たところで思い出した。
バカなの…っ！？
でも。
だからって、引き返すなんて出来ない。
どうしても兵長に会って話さなきゃ…――っ！！
『…っ！？ひゃっ！！』
大丈夫。
ちょっと疲れて、つまずいただけ…。
壁と床に手を付いて深く息を吐く。
このくらい何て事ない…。
あの時に比べれば…――。
兵士「君、大丈夫か？医務室に…――」
黒い思考の隙間に入り込んできた声に、咄嗟に意識を戻す。
『――平気です！それより、リヴァイ兵長はどの部屋ですか！？』
兵士「リヴァイ兵長は、この廊下の先の右側突き当たりの部屋にいるけど…」
ちょうど背後から通りかかった駐屯兵団の兵士に、声を掛けられ、兵長の居場所を聞いた。
――右側の突き当たり…
兵士にお礼を言って、壁を伝って前に進もうとすると、足がガクンッと崩れて、一歩目で床に座り込んでしまった。
あと、もう少しなのに…っ！
お願いっ…頑張って私の身体！！
兵士「おい、君、医務室に行こう！リヴァイ兵長には俺から伝えておくから――」
『――医務室は嫌っ！離してっ！！』
兵士「嫌って、そんな怪我してる身体で１人じゃ無理だって！」
声を掛けてきた兵士と言い合っていると、他の兵士達も集まってきて、囲まれてしまった。
『…どうしても、行かなきゃならないんです！離して…っ！！』
兵士「そんなフラフラでどうやって行くんだ！？無理だろう…ほら、掴まって――」
嫌だ。
自分の力で行かなきゃ意味なんて無い…。
私の本当の気持ち、ちゃんと伝わらない…。
願いは、たったひとつなのに――…っ！！
『――平気です！１人で行けます！！離してくださいっ…』
支えてくれる駐屯兵団の兵士の人を振り切って前に進もうとした時、今一番聞きたかった声が耳に届いた。
ﾘｳﾞｧｲ「おい！ユズア！！こんなところで何してる！？」
『…兵長！！』
囲んでいた兵士の輪を掻き分けて、兵長が近くまで来ると、私を支えていた兵士を振り払い、兵長の首もとに飛び付いた。
『…よかった…逢えた…』
兵長の首筋に顔を埋めて、やっと安心して呟いた。
ﾘｳﾞｧｲ「とりあえず、来い」
兵長に抱き上げて運ばれ、仕事用の部屋のソファーに下ろされた――…
*
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夢梨(プロフ) - 柚杏さん» 柚杏様。ご質問に質問で返して申し訳ないのですが、夢主の名字は既に作中で何度か出て来ております。これからのお話の中で、フルネームを名乗るのか…？と言うことでしょうか？ (2018年3月18日 3時) (
レス) id: b5e7379311 (このIDを非表示/違反報告)
柚杏(プロフ) - 夢梨さん» 夢主ちゃんの名字的なものってこれから出ますか？ (2018年3月18日 2時) (レス) id: 1c1d4e63b6 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - エリカ・アッカーマンさん» エリカ・アッカーマン様。お話を全て読んでいただきありがとうございます！真綿とこの話の兵長とは少しだけ性格を変えている事に気づいてもらえて感無量です(///∇///)どちらも隙を見て(笑)話を進めたいと思いますので、ドキドキしてもらえたら嬉しいです(*´ω｀*) (2018年2月21日 7時) (レス) id: b5e7379311 (このIDを非表示/違反報告)
エリカ・アッカーマン(プロフ) - 夢梨さんの小説全部読ませてもらってます！ほんっとに面白いです！更新大変だと思いますが、楽しみにしています！！この作品の兵長も、真綿の兵長も好きです！リヴァイ推しですがハンジさん、エレンも好きで、夢梨さんと似てて小説読みながらウハウハしてます！ (2018年2月21日 1時) (レス) id: 662e10d996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2018年1月17日 13時
