3 朝帰り ページ3
「ただいまー」
「おかえり、A」
朝早くポルコの家から程近い自宅に帰ると、朝ご飯の準備をしていた母が台所から笑顔で振り返った。
17歳未成年の娘が朝帰りなんてしたら普通、母親としては心配して叱るところだと思うけれど、私の母は違った。
何故なら…
「早くガリアードさんのところに輿入れしたらいいのに」
私とポルコが結婚することを心待ちにしているから。
「輿入れ…って…」と、苦笑いを返す。
ポルコの話をする時はいつも言葉の語尾が弾んでいる母は、『名誉マーレ人』確定のガリアード家の次男、ポルコをもの凄く気に入っている。
ライナーが鎧の巨人を継承した時も、二人ともまだ12歳で付き合ってもいないっていうのに、将来、私を娶らせようと前のめりに許嫁アピールをしていた。
とにかく。
母は何としてでも大切な一人娘の私に、レベリオ収容区では特別待遇を受けられる『名誉マーレ人』の権利を持たせたいらしい。
この『名誉マーレ人』という
はぁ…と、母に気づかれないようにため息をつく。
口に出しては言えないけれど、『名誉マーレ人』なんて…どうでもいい。
それに今、私の心を占領しているのはポルコじゃない。
忘れたはずの恋心。
諦めた想いだった。
『ライナーが帰ってくる』
その情報ひとつで、私の心はライナーへと舞い戻った。
だって…島の悪魔に殺されたと…
もう…帰ってこないと思って…だから…ッ
「ね？いい考えでしょ〜？」
暗くなりかけた思考を、楽しげな声がバッサリ掻き分けた。
いつの間にか俯いていた目線を上げると、母が面白いギャグでも思い付いたようなワクワクした瞳を輝かせている。
「…え…何…？」
「だ・か・ら！あんたの誕生日に入籍するって話よ！」
「は…？ そんな事…できるわけ――」
「――出来る出来ないじゃないの！やるの！ねっ！」
「待ってよ…ポルコの都合だってあるでしょ？」
それに、私の気持ちだって…
母の突拍子もない提案はいつものこと。
今日も簡単にあしらえると思っていた。
けれど…
「ガリアードさんのご両親には既に承諾を得ているわ。当然、ポルコくんにも」
「え…？」
ポルコはそんな事、何にも…
あ…そういえば、ポルコが何か言おうとしたのを私が遮って、ライナーの話をしたんだった。
そりゃまぁ…言えなくなるよね…
それであんなに…ッ
昨夜、少し乱暴に愛されたことを思い出して顔が熱くなった。
*
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夢梨(プロフ) - sato711825さん» コメントありがとうございます！意外とポルコ推しさんがいてくれてほっとしています。場面が思いついたら更新していますので、お付き合いいただけると嬉しいです(*´∀`)♪ (2021年4月22日 16時) (
レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
sato711825(プロフ) - 続きが見たいでえええす！！！！ポルコ推しなので私得ですっ！ (2021年4月21日 1時) (レス) id: 2b67c28291 (このIDを非表示/違反報告)
夢梨(プロフ) - Ronnyさん» コメントありがとうございます！ライナー好きさんがいてくれて安堵しました(*´ω｀*)頭の中に浮かんでいる言葉や場面をまとめるのに時間がかかりますし、期待に応えられるか自信もありませんが、何とか読者様が没入できるお話を書きたいと思います(*^^*)♪ (2021年4月11日 15時) (レス) id: 2fea8fb6ab (このIDを非表示/違反報告)
Ronny(プロフ) - あああああああどうなるんだ!!!!ポルコもライナーも好きだからつらいw次の更新も楽しみに待ってます! (2021年4月10日 23時) (レス) id: d499d51969 (このIDを非表示/違反報告)
mitsuyuu0907(プロフ) - 夢梨さん» お返事ありがとうございます。そうです。ポルコ落ちのお話を作っていただきたいです！本当にポルコの夢小説少なくてポルコ不足なんですよね_(´-`_ _)_よろしくお願いします！ (2021年4月5日 21時) (レス) id: a8ac705c71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢梨 | 作成日時：2021年1月16日 19時
