お兄さんずラブ2〜inar〜

笑顔です ページ45

「同じ方向だから」ってちねんが山田と仲良く帰るの見ながら、思ったほど傷つかないで、笑顔で手を振って別れて


「さってと、今日は車ないからタクシー拾おっか?」って伊野尾さんが言ったけど、



「すぐだから歩きましょうよ」って伊野尾さんの手を今度は自分から繫いで引っ張ると



え?って顔したけど、そのまま二人で歩き始めた



「街路樹にこんなイルミ付けて・・木って眩しくないんすかね?」って俺がいうと、伊野尾さんは



「そんな木の気持ちまで代弁しなくても」って笑って、「わんこは優しいなぁ」ってばふって俺を全部抱きしめた



「ちょっ・・・も・・・人が見てますよ」っていっても構わずに抱きしめて、伊野尾さんの腕の中は二人の熱い息とお酒の香りが入り混じって、寒くて凍えそうな外気とは全くの異空間になってる



「早く帰りますよっ」って伊野尾さんの腕の中をすり抜けて俺が少しだけ先に歩くと直ぐに伊野尾さんも追い付いて
わざと肩をぶつけて子犬みたいにじゃれ合いながら白い息を吐いて黙って二人並んで歩いた・・・




「俺は笑顔です・・」



「ん?」



伊野尾さんがポカンってしてる



「俺は笑顔ですよ」ってもう一回言うと



「はい?なんの話?」って伊野尾さんが俺の顔をのぞき込む





「伊野尾さんは俺の唇って言ってくれましたけど・・・俺は押してなかったエレベーターの中で見た伊野尾さんの笑顔です」




「わんこ・・・」



「えへっ・・パーツじゃないからこれは違うってことですかね?」


俺がそういうと、伊野尾さんがはじけるような笑顔になって


「大体はパーツなんだけどね、その中でも一番最強の一目ぼれが笑顔なんだってよ(笑)
ふふ、わんこやっぱり僕に一目ぼれだったんだねぇ・・ほ〜んと僕の顔・・可愛くてごめんねぇ」


そういってまたマウント取ろうとするから先手打って


「あっ・・でも先に好きになったの伊野尾さんですよ!だって最初の挨拶の時に俺を好きになったんだから」って反論したら


「はいはいはい、もうそういうことでいいですよ(笑)ほんとお子ちゃまは勝ち負けにうるさいんだから(笑)」って笑った。

それから？→←二次会に・・

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