お兄さんずラブ2〜inar〜

ちねんの初恋 ページ31

「すみません、お待たせしました、どうぞそのまま続けてください」

大きなマスクと眼鏡をしているその人は、大きな荷物を一つ開けて何やら黙々とセッティングをしている・・にしてもすげえ荷物だな・・・俺がぼぅっと見てるのに気づいたカメラマンさんが俺の視線に気づいて一瞬動きが止まって、それからぺこりと挨拶してくれたから俺も同じように会釈を返した


橋本さんもカメラマンさんに会釈して、紹介したほうがいいか迷ってるみたいだったけどすでに撮り始めてたカメラマンさんが「大丈夫です」っていうみたいに手の平をこっちに向けてそのまま撮り続けていたから橋本さんも頷いて話を続けた


「ちねんさんの初恋っていつでしたか?」


「初恋ですか?・・ん〜あんまり小さい頃のはちょっとよく覚えてないんですけど・・まぁ・・しっかり恋だって思ったのは・・・中学ですかね?遅いですかね?(笑)」


「いえ、いえいえ、そんなことないです、その初恋の方とは何か進展的なものとか・・・?」


「てか、すごいことまでききますね(笑)・・ん〜進展っていう進展はなかったですね・・中学生でしたしね・・ただ、僕しつこいっていうか」


「しつこい?」


「その子の事・・高校卒業までずっと大好きだったんです(笑)しつこいでしょ?」


あ・・・・・これ山田の事だ・・・・そっか・・・ちねん・・中学からずっと好きだったんだ・・そうだったんだ・・


「いえっ全然しつこくなんてないです、むしろまじめで一途なちねんさんのお人柄がよく出ていて素敵だと思います、それで・・・その方とは高校卒業したらそれで終わりだったのですか?告白とかはしなかったのですか?」


もはや橋本さんが雑誌かなんかのインタビュアーに見えてくるよ

「ん〜・・・僕はずるいから向こうから告白してもらえるように仕向けましたねぇ・・ま、相手がロマンティックが大好きなタイプだったからきっと何かイベントで言ってくれると思って・・・だから卒業式に照準を合わせてプランニングしました(笑)」



ふ・・と伊野尾さんの顔見たら腕組んだままウンウン頷いているし


「プランニングって(笑)凄いですね〜、で、告白してくれましたか?」


そういうと、ちねんはエヘッて少しだけ肩すくめて


「はい・・・まんまと(笑)」


「えええええっさすがですっ!え?で?どうなったんですか?」


橋本さん・・・もはや個人的な好奇心で聞いてますよねそこ(笑)

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