いのありのベイビーチョコラータ

大ちゃんからのライン ページ36

「あ・・・あき百均行ってくる」


「ん、チョコ固める時間結構かかるからさ、あとで買いに行ってくれる?でさ、チョコのデザインなんだけど・・こんなのどう?」


キッチンの棚の中の箱から取り出した型を見せてやる



「うわぁ、お兄ちゃん凄い!これでチョコ自分で作れるの?かわいいっ」


「えへ?そう?・・あのさ、これさ、昔氷用に買ってもらった型なんだけどさ、それを使ってできるんじゃないかなと思うんだ‥これ確かシリコン製だったから熱も大丈夫だし、固まったチョコの取り外しもうまくいきそうだし・・それにほら、ホワイトチョコ溶かしたので目を入れたらもっとかわいくなるんじゃないかな?」


「うん、かわいい!うんっこれがいい!あきのがきっと一番かわいいよ!やったぁ」


「うまくいくかどうかはまず一個作ってみるよ・・と・・・じゃあさ、ベースのチョコ溶かしていこう」


それから僕らは二人でお菓子作りの本見ながら必死で作った。


「よしっ・・試作品もうまくいったし・・・じゃあさ、あきはラッピング買っておいで、ちょうどいいくらいに目を入れる作業になると思うからさ、そこは自分でしたいでしょ?」

「うんっあ・・・でも・・失敗するかもだからちょっと多めに作っといてくれる?」


「わかってる‥大丈夫だよ」

いってきますと声弾ませながら出て行く妹の背中見ながら、もっと気をかけてやればよかったよ・・自分の事ばっかり考えてさ・・ホント兄貴失格だよね僕・・



「〜♪〜」


「ん?あ、大ちゃんだ」


大ちゃんからラインが来たのを読む


「いのちゃんビッグニュースだぜっ!!俺明日マジチョコ貰えるかも〜」


え?・・・・・どういうこと?


「中田さんから明日ちょっと早くきてくんない?って今ライン来た!これって絶対チョコ的なものじゃね?」




ああ、やっぱりあの子だ・・いつも大ちゃんのこと見てるあの子だ・・・



小っちゃくて可愛くて・・・僕らの話に良く笑ってくれる・・あの子だ・・・


大ちゃんのこと好きなんだな・・そっか・・一学期の音楽会の練習の時に隣同士になって、大ちゃんが中田さんってすごくいい子なんだよって言ってたもんね・・・・



僕なんて初めてピアノ伴奏に選ばれて緊張し過ぎでミスタッチしまくりで冷汗かいた思い出しかないのにさ。


中田さんからチョコ貰えるかもって大ちゃんもまんざらでもなさそうだな・・そっか・・・そういうことか・・

チョコと罰→←セピア色のキッチン

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す